2006年01月09日
南アルプス ドンドコ沢 五色ノ滝
アイスクライミングで名高い”ヒロケン”と行く、魅力的な未登の氷瀑ツアーに出かけてみた。
さてさて3日目。今日は辛いアプローチである。ここまで不発無くこなしてきたが、今日の不発は悲しい。
昨晩のうちに入山口の青木鉱泉に入った。長い道のりを考え出発は7時。気合が入り過ぎてか少し早過ぎに起床してしまう。しかしまぁ 長い。ドンドコ沢の登山道をただひたすら歩く。長い、、長い。
やっとこ南精進滝に到着。部分的に凍っていない場所もあるが、とりあえずクライミングるには充分である。”登れる!”よ。
縦走路の南精進滝の直前には、巨大な岩があり、完全に屋根になっている。まぁ下地がどうなっているかは知らないが、結構イイ感じの場所である。それから少し上にも半岩小屋になっている場所がある。このあたりをベースにして 周辺を登るというのが魅力的かも知れない。
ドンドコ沢には続いていくつかの滝がある。来れは白糸滝。これも氷結している。”登れる”よ。
途中に鳳凰の滝というのもあるが、これは見ていない。
お目当ての滝はさらに奥にある。山頂まであと2時間くらいまで登り詰めた場所にある”五色の滝”である。今まで様子見にやってきたパーティーはあるものの結氷が悪く、未登らしい。
縦走路から離れて深いラッセルを進むと正面に見えてきた。完全に結氷している。”登れる”よ。
最後に河原に出てからのラッセルがなかなか渋く、結局取り付きまでは5時間を費やしてしまった。これで凍ってなかったらかなり悲しかった。しかし酷く疲れた。m(_ _)m
滝は面白い形をしている。スケールは思ったよりある。50メートルというかんじではないなぁ。
中央に大きくカンテ状の張りだし、左にも小さいカンテ。右には氷柱。その間にはいくらかのカリフラワー。上部は薄い感じで半ベルクラみたいなのが続いている。出口以外はそこそこ氷結は良い感じに見えている。
さてさてアプローチで死んだ僕はフォローを決め込み食いに走る。完全にシャリバテなのである。悲しいかな水筒が凍り付きイマイチ上手く飲めない。久々の運動で腹は減りまくり 口に入れてほおばるにも上手く飲み込めない。
ゲフゲフ!
右側の氷柱部分は魅力的である。角度は氷柱は綺麗に垂直。カリフラワーは部分的にかぶってくるだろうな。非常に美しい。
石田本官がリード。
なんでも8年前にもヒロケンはやってきたらしいのだが、カンテ状の部分は全く無く、バシャバシャと水が飛び散っていたらしい。ここまでアプローチしてやってきて、そらかなり悲しい状況だったに違いない。
快調にピッチを延ばして例のカンテ状にさしかかった。先ほどから何やら”ズン!”という音がしていて、実はカンテ状中程に斜めに亀裂が入ってきていて、それが少しづつ広がっているような、、、いや、、ま気のせいだな。
暫くすると石田本官が”行けない”と言うことなんで、下りてきた。”長島さん行きますか?”と聞かれたので まぁ疲れているしお気楽な態勢で油断していたが、ちょっと行ってみることにした。
おおむね氷結はいい。下部はまぁ80度位の綺麗な氷。そこからカンテ状にでていく。確かに中は空洞で良く見ると向こう側は岩から離れている。氷の隙間から見えるのである。左に出て数歩進むと”ズン!”っと鈍い音がして動いた。さすがに”バクバクっ”っとなり 暫く呼吸を整える。落ちるよりはいいかな?っとフィフィをかけて、ついでに短いスクリューを打っておく。”あっと待てよ、これを打ってしまうとあれかな? カンテがごそっと落ちたら引っ張り込まれるかな?いや もう打っちゃったから抜くのも面倒だし行ってしまえい!”
カンテが終わり傾斜が弱くなったあたりでピッチを切ればよかったのだが、氷がどこでどう切れているのか不明な嫌な感じがあったので次のまともそうな場所まで引っ張っていく。ところがその先はどんどん氷結は悪くなり、およそビレイポイントにはなりそうにない。
”長島さん、青が60メートルですからぁ〜”の声を聞いて、”そう、、んじゃ一気に引っ張ってしまおうかな”と1ピッチで引っ張ってしまうことにする。氷結は益々悪く、穴開きまくりランニングは効いてないのが数本。くそっ!ハーケン貰って来るんだったな。ちょっとだったらリスもあるのに、スクリューじゃぁ全くらちが開かない。とにかく踏み抜いて落ちないように落ち口へ。落ちなければランニングは必要ないからね。。。(";;;
さらに落ち口は最低で、透明で向こう側の水流が良く見える数ミリの氷があり、岩に体重をかけて、、、氷で止めてるだけ、、、っという感じでデリケートに進んでいく。騙すというよりは信じて登るしかない。
”うわ! ワイルドだな!”
抜け口は非常に悪い。さらに滝の上はスラブで右岸方向に数本、悲しい木が栄えていて、それでもお願いして目一杯引っ張ってもスラブを引き戻され、、そんなこんなを繰り返し やっとこ小指ほどの木を掴んでビレイ。さらに数本の周囲の木にお願いしてビレイポイントに参加してもらう。かなり悲しいが仕方ない。万が一テンションでも入ったら僕は60メートルの空中ダイブを経験できる状態なのである。フォローでやってきたのがヒロケンだけだったので助かった。
下降は左岸側を木を使って歩き、ルンゼ状をラッペル。これも歩けないわけではない。
そそくさと片付けをし 長い長いアプローチの下降に入る。青木鉱泉に到着したころには18時半。とっぷりと暗くなっていた。たった1ピッチのためにおよそ半日。とっても疲れ果てた一日である。
恐れ多くもアイスクライミングのヒロケンは、何故だか全く氷とは無縁といえる沖縄に在住している。この翌日には早朝の飛行機で常夏の沖縄にとんぼ返りをし仕事に励むのかと思うと あきれるばかりなのである。


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