人間はなれた環境で生活するのが一番楽なんだ。
昨晩は揺れた。八丈島の影に隠れて風が来ないときに首尾よく夕食を取るというのは、さすがである。それからしばらくすれば風が再び強くなり、かなり揺れてきた。
乗務員は皆、船が揺れることには慣れてしまっているから なんでもない。一寸揺れたくらいでは 普通に二本足で歩けるし、よろめいたりは為ないのである。ところが僕はというと、手すりに捕まったりしないと転げてしまいそうだ。これは 慣れだけなのだろうか?
そういえば 乗務員の人達は、船から降りたあとの あの”ゆぅらゆぅら”する感覚にもならないのだという。本当なのだろうか?
”当たり前さ! 毎日だもん!” そういう物なのか?
八丈から御蔵島、三宅島とこの辺りは 海は荒れるのだそうだ。そういう物らしい。そのうち持ち込んだDVDも見るのが面倒になってきた。コンピューターが 船の揺れで滑っていってしまい、画面が動いてしまうのだ。暫くすると部屋の中に座っているのも面倒なので、狭苦しい二段ベッドにおさまり、酒を飲むくらいしかやることがないのである。
一変して今朝は快晴。よい天気である。相変わらず7時前には朝食を済ませ、辺りを見渡すと 大島が近いらしい。
父島を出て3日目の朝である。母島を出てからは既に4日目。長い船旅である。もう うんざりという感じもする。別に船が嫌いなわけではないし、乗務員と仲が悪いわけでもない。みんな気さくだし、やっと慣れてきたばかりである。そうではなく、単純に”暇”なのである。おが丸の航海も暇である。しかし既に4日目だ。想像を越える”暇”なのである。もうそろそろ変化が欲しい。
そういえば 母島の生活もそうだ。のぉんびりしているといえばそうなのだが、”暇”といえば”暇”である。だから 刺激が欲しくなる。僕は普段は東京を中心に動いている。まぁ 日本全国をあちらこちらに”山登り”にでかけているが、それでもやはり中心は東京になる。
東京の生活。それはやはり刺激的である。そしてテンポが早い。生活のテンポが早い。裏を返せば”時間に追われている生活”な訳である。
ここでは 時間は余っている。
こういう生活をしていると、”何かしたい”っという気持ちになってくるようだ。
どうやら僕には ”暇”な生活、時間の過ごし方は、無理なようである。
”あのさねぇ、昼頃には東京さ着くから”三浦さんと小山さんは、相変わらず面白い。
どうやら 東京到着は昼になるらしい。
調理長の三浦さんは何やらこしらえてくれている。なんか、いい感じだよね。また 旨いものがでてくるんだね。
楽しみだ。
おっとこれは何だろうか?
あっ そうかぁ、、昼飯は食えないんだね。東京に着いちゃうから。
残念だな。
暫くすると周りに船が増えてきた。
波が穏やかになり、東京湾に入ってきたのである。東京湾の入り口はびっくりするほど狭く、そこを目指してあっちこっちから船が入っていく。
プロパンガスはここに積んであるみたい。
何か作業をしている。残量チェックかな?
サロンという名の食堂に行けば、今度は僕が写真に収まる番。僕もあのアルバムに入れて貰えるらしい。どんな顔して映ったのかね?
僕もとらせてよ!
あらら? 隠さなくっても!
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●グループ山想
奇妙な雑誌「山 想」今年10周年を迎えます。会則も、規約も、年会費もありません。グループ参加者(つまり本誌の読者)にはいっさいの制限はなく国籍、年齢、性別を問いません。昔、山登りを続けたことがあり、現在は山とは縁がないけれど、若い時代の登山の想い出とその情熱を懐かしく思っている人たち。若い時代から引き続き、今でも登り続けている人たち。昔の山仲間と語り合い、お互いに近況を知らせ合いたいと願っている人たち。これからでも、山の良さ、素晴らしさに触れたいと思っている人たち。
とにかく山を愛する人達の集まり、グループ山想。山岳会の枠を越えて山を愛する人が自由に参加して、毎年7月に 谷川岳に集結しています。
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