サービスというものからは無縁である。
この船には客室乗務員というのはいない。たった一人の客の僕のために、そういったものは無駄である。だから サービスというものからは無縁である。解らないことがあるなら聞いてしまうしかない。船員の方々は 多少無愛想に見えるのだが、まぁ仕事中だからね。でも聞けば親切に色々と教えてくれる。ただ なまりなのかな?やたらと早口なのかな? それと 船のエンジンの音が大きいのと相まって、聞き取れないことがあるんだな。まぁ、、そう言うときには解った様なふりをしていればいいかな?
”ところで、海に出てしまったら、みんなは何を為ているんですか?”
っと 八木さんに聞いてみると、、、
”仕事だよ、みんな交代で仕事をする。”
ふぅん、、そうかぁ。まぁ 仕事をしていないときは何してるのかな??
サロンという名の食堂では ガメラを見ている。誰かがビデオで撮ってきたらしい。すさまじい大きさでテレビをかけてガメラっているのである。
確かに このくらい音を大きくしないと、エンジンの音が大きくて全く訳がわからない。
船内は 入っていけない所はない様である。一応、関係者以外立ち入り禁止という場所があるのだが、僕以外は全て関係者しか乗っていないのである。だから みんなは 立ち入っていく。
そりゃぁ〜そうだ。立ち入らなくては仕事になら無い。
一番上のデッキに行ってみると、やはりブリッジは気になる。
ここも関係者以外立ち入り禁止である。
”入っていいらしいが、、”
様子をうかがいながら、、、
”おじゃましま〜す!”
中に入ってみても 何ら景色は変わるものではない。 ただ、風は当たらなくなる。ちゃんと部屋になっているし、周りはガラスで被ってくれるから当たり前だ。
もう 聟島列島も見えなくなってしまうと、全くの大海原。なぁ〜んも見えないのである。
船の操縦は 外洋に出てしまったら自動操縦になってしまうから、あとは”ワッチ”、、要するに見ていればいいらしい。
暇そうな仕事だな。
4時間ごとに3人で交代しながら、、この”ワッチ”を続けなくてはならないらしい。
”だいたい他の船とかと近づく事はあるんですかね?”っと船長の津田さんに聞いてみると、、
”この辺は無いね!”っとの事。”ふぅん、、暇ですね!”
”この辺りは無いけど、、、”っという。
まぁ、、だろうなぁ。。。この辺りは 何処に行く航路にもなっっていないのである。かろうじて、、ニュージーランドとか?そういう所に行く船が通るだけらしい。だから やることは無し。
”だいたい 今見えてる水平線で、、遠いところはどのくらいなんですかね?”
”今日は波が立ってるから、、それでも50キロくらいは見えてるかな。”
へぇ〜 意外と近いんだな。何百キロとか見えてはいないようである。それでも見渡せる視界の場所まで行くためには 2時間くらい掛かることになる。
そう、共勝丸は おが丸と比べたらめっちゃんこのぉんびりしか動かない。そういうモンのようである。
”まぁ もう乗ってしまったんだから仕方がない”
こうなったら 何日かかっても、東京に到着するまで楽しむしかない。焦ったところで なぁんにもならないのである。
少しづつだが、共勝丸は進んでいる。、、きっと。、、たぶん。
周り中は海だから、良くは解らない。GPSだけがそう伝えてくれる。大海原の中で やることもなく、無力な僕なのだが、、共勝丸はとりあえず進んでいる。ううむ。たくましいではないか!
少しづつ この船がそう思えてきた。
夕方になれば夕陽が落ちていく。恐れていた船酔いは起こらない。まぁだまぁだ これからなのかも知れないが、、、今の所問題ない。これから 夜に掛けて海が荒れてくるのか??
まぁ やることもなく、、、
いや、飲むだけである。
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