とうとう小笠原を離れる頃になった
出港の時間になった。荷物を載せたまま置いてきぼりを食らわされるのも悲しいので、早めにデッキに登っておく。上のデッキで作業の進行を ビールでもすすりながら眺めている。アナウンスもドラも警笛も、、、見送りも、、、なぁんも無い。
”みんな乗ったかぁ!”っという声も掛からない。船をつなぎ止めてある太いロープが手際よく、無言のまま外されていく。乗務員は”いつものこと”っとばかりに作業しているだけ。こうしているうちに いつの間にか出発していく。僕はというと、別にやることもない。”ふぅん なんかいつもとは違った感じがする”。。
そうだね、おが丸の出港は、まずけたたましく嘘っぽいドラがスピーカーから鳴り、波止場では小笠原太鼓が叩かれる。波止場は見送りの人間が結構やってきているのが普通だ。特に3月くらいには、卒業シーズンだったりする。”蛍の光”が演奏されたり唄われたりもする。旅立ち!!っていう感じが もりもりするのである。そうして”ボォ〜”っと鳴ったら出港だ。出港して暫くは、島のクルーザーやらが平走してくる。そうして 30分くらいは賑やかなのである。
共勝丸の場合には こういう手続きは一才無い。これが最後の小笠原に成ってしまうかも知れないというのに、、まぁ、こんなモンかな。まぁ この方がいいな。。
共勝丸は少し時間には遅れて ひっそりと二見港を離れていくのである。
ゆっくりと湾内を進んでいく。
暗い感じだが とりあえず海は穏やかだ。
外洋に出たら揺れるのだろうか?
湾を出てすぐに おが丸と行き交う。こうして見ただけでも大きさの違いは明らかである。相当に荒れたのかも知れない。もう入港予定時間を過ぎようとしている。30分遅れか? いや、もっとかな?
共勝丸の船自体はそんなに大きくない。だから5分も歩けば船内は一周してしまう。長い船旅になる。外洋に出てしまったら 何の変化もなくなってしまう。あんまり急いで探検しないようにしなくてはならないね。
そうしないと やる事がなくなってしまうから、、、
しばらくして波が出てきた。
しかし、まだまだ耐えられる。
天気は良いのであるが、海は荒れてきた。
あれは??
イルカの大群だ。
おお!! すごい量だな。元気いっぱい飛びはねまくっている。
いつもの見送り船団の”代わり”を勤めてくれているのだろうか?
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