アカギの木
パパイヤの大木は見事に空に向かって突き上げている。集落ではもちろん、は結構島の至る場所で見かけられるのである。これは元々その辺りに集落があったということでもあり、、、道路際にはわざわざ植えられたものもあるのである。
元々混沌とした原生林というよりジャングルの様相を呈している母島の森は、地上にはありとあらゆる奇怪な形をした植物が被い茂っている。それが地下に掘られた塹壕と元々の地形、特に石門周辺などに見られるカルスト地形による”穴”などで、油断をすればとんでもないコトにもなりかねない場所なのである。
ジャングルの中には倒木も多く、これが覆い隠すように複雑に折り重なっており、これまた危険な状態でもある。
そんな中、桑の木やマルハチといった、母島固有で貴重な植物が多く存在する。母島は父島とは違い、外来種の持込みが少ないためこうした貴重な植物がそのままの姿で残っているのである。しかし生態系が弱いと見えて、最近では他の木にその居場所を奪われていっている。その天敵がアカギの木である。
乳房山などの山に入れば、その登山道の傍らにあるのは大抵アカギである。幹が赤っぽく背が高い。他の樹木より成長が早いらしく、高い場所で太陽の恵みを独り占めしてしまうのである。
コブノキで有名な桑の木山もこの例外ではなく、今やアカギ山と呼んだほうが相応しいのかも知れない。とどむさんなんかは、そういうふうに呼んでいる。
増え過ぎたアカギの木を少なくしようという試みが、数年前から地道に続けられている。大木となってしまったアカギを排除することは容易なことではない。
まず初めに考えられるのは、切ってしまうこと。そう、チェーンソーなどで切り倒してしまう訳だ。これが意外と面倒臭い。内地ならそれが一番なのかも知れないが、ここはそこかしこに天然記念物があふれている島である。倒した木の下敷きにノボタンがなってしまったりすることもあるだろう。また機械を使うことによる騒音が、ハハジマメグロを初めとする鳥に、少なからず良いとは思えない。
薬を使うことも考えられる。そうすると、やっぱり周囲に影響が出てしまうことは容易に推察できるのである。なかなか面倒だ。
現在多く行なわれているのは”巻きがらし”という方法。これは幹の皮を向いて、自然に木を枯らしてしまう方法だ。
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