2003年12月04日
       朝日連峰



    朝日を登るには。実に中途半端な時期である。雪は安定するどころか ほとんど無い。この辺りの道は、既に冬季閉鎖になってしまっており、雪が無いにもかかわらず アプローチ条件が悪くなってしまっている。やっと見つけたこの登山口も、実は工事中で通行止めだった。工事の方々が わざわざ通れるようにしてくれたのだった。

    こうして昨晩のうちに 日影沢の小屋にやってきていた。快適で綺麗な小屋である。天気は良くはない。夜になると吹雪きとなり やばそうな感じである。雪が積もり始めた。
    朝になっても吹雪は収まらない。朝は早出をして 竜門の小屋まで行き、出来ることなら以東岳までピストンしてこようと考えていたのだが、ラジオでは 冬型になり、平地でも雪が降ると告げている。どうやら そう言うことらしい。それじゃ今日は無理かな?っと 朝からビールでも飲んで、再び寝ることにする。
    再び目覚めてみる。時計は10時を回っている。ラジオを付けると 相変わらずだ。 ふと窓の外を眺めると”あれ?” 青いな? おかしいな?青空なのかな? 見間違いかな?

    もう一度見てみる。やっぱり見間違いではなさそうだ。





    外に出てみると 吹雪きは収まり、柔らかい陽射しの中 うっすらと新雪が積っている。
    ”こりゃ やばい!” 言い訳の付かない天気だ。

    大急ぎでメシを食い パッキングを済ませると、とにかく竜門の小屋まで行っておこうと 急登に取り付く。昨日までは雪はなかったので、全くの新雪だ。ごろごろした根っ子が邪魔臭く 良く滑る。
    暫く行くと 雪がチラついてきた。まぁ このくらいなら問題はない。しかし あんまり降られてしまうと 車が出せなくなってしまう。車が出せなくなってしまうと、、、来年の雪解けまで残置になってしまうかも知れない。そりゃぁ困るな。

    一抹の不安を抱きながら 登っていく。

    道は これでもか!っと言わんばかりに解りやすく、広い。
    両側の樹林が徐々に低くなり、笹藪が出てくると風も出てきた。ラッセルは ふくらはぎくらいで、安定していないだけで さほど苦ではない。

    ユウフンに近づくと風が強力になり、目が開けられない。2000メートル程度の稜線だから馬鹿にしてサングラスは持ってきていない。まぁ これくらいは耐えなくてはっと、ヤッケも着ないでフリースのまま突っ込んでいく。ラッセルは深くなってきた。ううむ、やばぁ〜。

    寒いなぁ、、、と思いながら足を進めていく。視界はほとんどい。たまに開けた時には、さほど遠くない場所に 竜門の小屋が見えている。それなのに だらだらした登りは続いていく。結構厳しいな。全く進んでいない感じがする。



    しかし 大した山ではないと思っていたが、下手したら八ケ岳なんかよりよっぽどきついじゃん。
    15時半、やっとこ竜門山の山頂に到着。

    いや、寒いの何のって。そそくさと主稜線を下り、小屋に逃げ込もう。主稜線は 雪が吹き飛ばされるどころか 吹きだまっており、ラッセルは益々不快。小屋に飛び込むと しばらくはガタガタ震えていた。やっぱ カッパくらいは着たほうが良かった。恐ろしく寒い。外は物凄い強風だが 小屋はしっかりしているので心配はない。ただ 余りに風が強く寒い。いくら焼酎を飲んでも 身体は一向に暖まらない。ラジオでは、明日は小型の気圧の谷が通過して天気が悪くなると告げている。”マジかよ!”

    明日の朝 こんな状態の天気だったら、下るしかなさそうである。まったく 参ったな。強風は 一晩中続いた。

    目覚めると朝。相変わらずの天気である。飯を食いパッキングを済ませると 外に出てみる。今日は昨日の教訓?を生かし、ちゃんとカッパは着た。目出帽も出した。(";;; 装備はずいぶんマシになった。

    これじゃ 以東はやめたほうがいいな。どっちがどっちか解りゃぁしない。もし ホワイトアウトが収まるようなら朝日だけでも踏んで、ぐるっと一周回って下山するか? 結構ラッセルだから大変かなぁ??などと思案している。黒木瞳の”いってらっしゃい!”の声に送られて、とりあえず竜門まで登り返す。昨日のトレースは見事に無い。おまけに雪はずいぶん増えている。山頂から朝日方面に歩いてみても 別段変わりのない深いラッセルとホワイトアウトだ。こんな感じだと ずいぶんと時間を食うに違いない。だいたい なぁんも見えない変化の無いラッセルが まるまる一日続くかと思うと気が滅入ってくる。楽しくない。そして天気は悪化するはずである。

    ”やぁ〜めた!” っと、一気に来た道を下っていく。下ると決めたら天気が崩れる前に下ったほうがいい。主稜線から離れると風もずいぶん収まってきた。
    ユウフンまで来ると、”あれれ?” 天気が回復してきている。主稜線の付近は それでもホワイトアウトだ。いったいどういうことなんだろうか? 気圧の谷ではないのか?



    仕方ない。ここまで下ってきてしまったから、また登り返すのは面倒だ。竜門の小屋では携帯が使えなかったので、とにかく下るという連絡を入れておく。
    そうこうしているうちに、信じられないくらい良い天気になってきた。どうしてなんだ? 全くこの辺りの天気は訳がわからない。あっという間に以東岳、大朝日も 良く見える。おまけに 下界の町まで見えるようになってきた。なんてこったい。

    それにしても デカイ山だなぁ。しかも ただひたすら続く稜線。ありゃぁ ひたすらのラッセルになるな。

    冬の朝日は 2000メートルとは言え、かなり厳しい気象条件となる様だ。穂高、剣のトレーニングなんかには 実は持って来いのフィールドかもしれない。今度は ちゃんと装備をもって、縦走をしてみたいな。
    あまりにいい天気になってきた。

    このまま下ってしまうのも もったいない。ゆっくりしていこう。 陽だまりのスノーハイクである。快適その上無い。



    しかし、、忘れていた。陽だまりスノーハイクの快適な下りはすぐ終わり、登山道の下の方は、滑りやすい根っ子と ぐっちゃぐっちゃの泥まみれになりながら、日影沢の小屋へと到着。

    なんだか良く解らないが、朝日の山というのを少しだけ 味わえたような気がするのである。
    出羽三山には 綺麗に雪が積もっていた。
                        
















    hahajima Life





    ゆっくり ゆっくり、やっていこうかと思います。


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