2003年10月08日
       瑞牆山 大面岩 北稜会ルート



    瑞牆山には数々の壁がある。最近ではトイチ面に 人気が集中しているというより、ベルジュエールを中心に クライマーを引き付けているのだが、ここ大面岩には いくつかのハードフリーのマルチピッチがある。”ううむ、出来るかどうかは解らんがやってみたいな!”と、今回は足を運んでみることにした。まずは 見てみないとなんとも言いがたい。パートナーは 蒼氷の英作ちゃん。毎度おなじみ貴重な平日のクライミングのパートナーである。

    前回はカンマンボロンにはやってきていたのであるが、大面岩はお互いに初めて。アプローチの歩きは登山道にもなっており、トイチ面に比べると良く踏まれており、そして短い。カンマンボロンを通り過ぎ、いよいよ大面岩の下、、岩小屋のところまでやってきた。この岩小屋は極めて快適で、堤さんは良く泊まっているようだ。そうだな、山の中に1泊する のぉんびりとした一夜が過ごせるであろうな。

    ”さぁて、どこがどこだ??”っと

    大面、カンマンとあまりクライマーを迎え入れないのには、おそらくトポが充実していないという理由があるだろう。登山体系や北山本の付録についているもの、、そのほか細かい記録を集めても、全体の相互位置関係が解りにくく、おまけに間違っていたりする。また、開拓を途中でやめてしまったボルトラダーや 未発表のものが数多く、これまたルートを解りにくいものとしている。しかしながら この点を逆にとれば、ルートファインディングを楽しむ 冒険的なクライミングが出来ると言える。未知の要素が大きく、自分達で岩を見極め、概念を掴みながらクライミングをしていける。壁自体のサイズも それほど馬鹿デカくもなく、多少迷ったところで なんとかリカバーできる、お手頃サイズである。情報過多のクライミングの中で、実はこういう”無案内なエリア”は 貴重なのかも知れない。今日はモンタージュの予定で歩いてきたが、ううむ、、、はて いったいどれだろうか?

    岩壁の基部を右に左に、、、顕著なエギーユ?? エギーユってなんだぁ?(";;; そういった 馬鹿馬鹿しいことすら解らない。 カンマンの下降点から右のハング下、、、可能なかぎり動き回る。右か?左か?何度も行ったり来りを繰返しているうちに 少しづつ大面岩の概念が見えてくる。踏み跡を見つけては、上に、、、下へ。小さなアブミが発見された。顕著なテラスだ。、、、ということはっと トポと照らしあわせてみるが、右にはサマータイムと思われるラダー。そしてここ、小さなアブミの所はフリーウェイということになる。その間には どうやらモンタージュは無い。要するにトポが違っていそうだ。辺りを再び探し回るが、取り付きで いくら見ていてもラチが開かない。

    2時間ほどさまよっただろうか?

    ”仕方がない。とりあえず今日のところは 北稜会のラダーをたどってみないか?”

    樹林に遮られて 視界は悪く、全容は見ることが出来ない。とにかく 少し上がって視野を広くしてみないと 岩場の概要が掴めない。なんでもいいから 解っているラインを辿ってしまおうというのである。英作ちゃんも同じことを考えていたようで、思いきり路線を変更。今回は”大面岩のお勉強”ということに決まったのである。
    取り付きは12時を既に回っている。遅いスタートだが とにかく行けるところまで行こう。ミニアブミが目印だから、取り付きは間違いない。取り付きからピッチの長い掛け変えのエイド。チビにはきつそうである。つまらないが仕方がない。考えようによっては 絶好の掛け変えエイドの練習ルートになる。ハング下を左にトラバースするのはフリーウェイと思われ、チョークマークが付いている。誰か?トライしている様子。延々と続くラダーは そのまま続く。高度を上げるにしたがって視界が開け、色々なラインが見えてきた。右のサマータイムは どうやらこっちに近づいてくる。フリーウェイは左下。様子が見えにくく 判然としない。
    1ピッチ目は35メートル、ダイレクトに登る。もっと長い様に思う。下を見ると この高度感。

    エギーユねぇ、、、(";;; なるほど 針峰か!

    右手にピナクル状の大きな針峰がそびえ立っている。そういえば エギーユ・ド・ミディとか言うよな。

    右には絶望的なフェース。左には複雑に重なりあったクラックシステム。
    2ピッチ目も掛け変えのエイドだか、今度は極端に間隔が近い。恐らく開拓時のローテーションの具合だろう。奇数ピッチが遠く、偶数ピッチが近いのかあ?



    あたりを眺めながら登っていたが、残念ながらガスが出てきてしまい視界が狭くなってきた。さぁて、やばいかな? とにかく もう少し行ってみよう。

    2ピッチ目は 外傾したテラスまでだが、たぶん上に見えるブッシュの中にあるのだろう?
    次のピッチが良く解らない。外傾テラスからラダーとフリーで少しだけ這い上がると、確かにビレイポイントが有り、そこから更にラダーが続いている。トポによれば左上ということになっているが、左には行ける感じがしない。この辺りを 左に回り込むのだろうか?どうみても直上が素直に感じられた。10メートル程の長さもピッタリくる。判然としないが こっちに進むことにする。

    左手に見えているのは 顔面カンテだろうか?

    3ピッチ目は すぐ終わる。何故ここで切ったのかは不明。開拓当時は40メートルロープだったというだけなのかもしれない。
    4ピッチ目は 正面のラダーからカンテの左に回り込む。途中からフリーを交えながらカンテの左を行く。何故か 途中からラダーが2列に並んでいるが、どちらを登っても大した代わり映えはしない様子。ここは トポによればIVという事だが、そんなに簡単なフリーではない。どこかおかしいな?A0なら行けるか? ひょっとしたら もっと左の草付きの溝を行くのがルートなのか?訳がわからないので 好き勝手に進もうと思う。





    フォローの時には ブンブンとロープを引き回しながら周りを観察するが、視界が悪く良く解らない。とりあえず、他にボルトラダーは見当たらない。
    5ピッチ目はビレイポイントから クラック沿いのカンテを登りラダーを辿る。手がかじかんでいて痛かったのでエイドする。もう一段左にクラックがあるが、これを登れというのか? つまんなそうである。一旦すぐにビレイポイントに出るが、そのままもう一段上がる。さらにビレイポイントが出てきたが、これも通過し、何故か2列に打たれた傾斜の緩いスラブのラダーをフリーで行こうとするが 絶妙に悪いのでエイドにする。ロープがめちゃくちゃに回り込んでいるので重くなる。2列のラダーのフェースから左の木の方に行き、ここでピッチを切ってもよいのかも知れないがそのまま木登りをすると、ヘンテコな岩が右手に見えてくるので そのまま妙なムーブで岩を右へトラバース? 良く解らんどさくさムーブだが バクバクして面白い。再び木に出るが、この上のフェースも短そうなので 様子を見て見ると、ボルトのビレイポイントが有るので そこまで無理やり引っ張ることにする。ロープの流れは無茶に悪い。ほぼ50メートル。なかなか変化に富んでいて面白い。
    6ピッチ目は 正面に見えているクラックからフリーで越える。右下にRCCのビレイポイントが見えているので、他のラインが来ているのだろうか? 右のクラックやチムニーも登れそうであるが、登られていない様子に見える。まぁ妥当なラインということで正面に進む。

    ”ああ、終わりですね!”



    どうやら 英作ちゃんは どこかに辿り着いた様子。
    クラックを登ると一気に傾斜が落ち、ブッシュ交じりのガラガラの岩場に出る。適当に山頂を目指す。辺りは視界が利かないが、確かに終わりは近そうである。





    立木に多くのスリングが残っている。目の前には大きな岩がある。
    最後にこの大きな岩を登る。威圧的に見えていた岩も、弱点を見つければ容易に登れる。どうやらここがピークの様だ。15時30分登攀終了。なかなか気分の良い山頂である。なんやかんやと 最後まで登ることが出来た。良く解らないが、そして結構楽しめた。

    (")/





    ルートとして 間違っているのかも知れないが、このラインは それなりに楽しくお勧めである。
    少しだけガスが晴れ、本峰、大ヤスリ、小ヤスリが望める。

    さて 下降だが、、、 同ルートを下降するのが最も安全であるのだが、まだまだ日没までは少し時間が有る。どうなるかは解らないが ラッペルポイントから下りてみようと思う。大面と小面とのコルにでて、運が悪くても数回ラッペルすれば 明るいうちにはナンとかなるんじゃぁ〜ないかな? なぁんか 熊が出てきそうな場所だなぁ、、、と思いながら”んじゃぁ〜行くよ!”



    大面岩の冒険は、なかなか楽しい。(")/
                        
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