乳房山
道端にはタマシダやシマオオタニワタリが数多く見られる。この島では実にポピュラーなシダの仲間だ。曲がりくねった登山道をぐんぐん下っていくと道はカクっと曲がり、シェルターが現れる。 ここは夕陽の絶好のポイントだ。海に沈んでいくここからの夕陽はキラキラしていて美しい。是非チェックしていただきたい。
この先しばらくだらだらと下れば、少しだけ岩場になっている箇所がある。良くここの階段で滑ったりしたなぁ。それに木と木の間隔も狭いんだよね、この箇所。だから 木と木の間をくねくねと上手い具合に曲がらなくてはいけない。ところが材料がすぐ引っ掛かる。邪魔臭い! 思いだすなぁ。ここからの夕陽も美しい。残念なことにこの辺りは少し狭くなっているから ベンチなども全くないのだが、ここはメグロが多く出没してくれるから楽しい場所なのである。こっち側のボッカの時には いつもこの辺りで休んでいた。昼寝をしたり、お弁当を食べたり。。。。ちょっと狭いんだけどね。背負子に寄り掛かってお昼寝タイム。 他の通行人には邪魔臭く、顰蹙をかっていたに違いない。
石積の階段を数段下り、、、もう少しだけ下り 小鳥の水場が出てきたら、きっともう必要はないから。残っている水は小鳥達にあげてくる。少しくらい喉が渇いたほうが、下山後のビールが美味くなるというもんだよ。水筒の水が残っていなくても 水場の回りにはポリタンクやペットボトルが散在しているから、この中から水場にいれてあげてもいい。しばし眺めていればメグロが寄ってくるかも知れないよ。いや大抵はチュンチュン!っと 取っ換え引っ換え小鳥達がやってくる。これを一服しながら眺めていると、飽きないんだよなぁ。思わず時間を忘れてしまうんだ。しかしあんまりゆっくりしていると陽が暮れて暗くなってしまうから 気をつけないといけないね。
笹藪のなかにはガジュマルの大木。最初に見たときには びっくりしたもんだ。
”なんじゃ?こりゃぁ?”
ガジュマルは不思議な木で、小降りの葉っぱがたくさんつく大きな木である。辺りは大抵薄ぐらく、おかげで貴重な日影を作ってくれるのである。藤棚を自分でつくって育っていくような感じで、枝から根っ子がでてくる。いちょうの木のような感じだがもっといっぱいでてくる。それら根だか枝だかは、全く複雑に絡みあっていて、どこが枝でどこが根っ子だか良く解らない。それが 上というよりは横方向に広がっていくようである。だらだらと根っ子があっちこっちにぶら下がっている。サンプルジャングルというイメージだ。根っ子は地面まで到達すると徐々に太くなって、根だか幹だか解らなくなる。いつまでが根っ子で、いつからが幹なんだろうか? しっかりした大木となっても根っ子はというと、実のところあんまり地面に深く根を張っておらず、良く解らん木なのである。複雑に入組んだガジュマルの中には、まるでジャングルの妖精でも住んでいるようだ。いや、戦没者の霊が、、ほら! そこに。。。 げげげ!! そういうふうに考えてしまうと、本当にそういうことでも有りそうな感じがして背筋が一瞬寒くなるよ。ちょっと不気味な感じがするなぁ。おまけに道は狭くガジュマルの中をくぐるようになっているから暗くなると解りにくいし めっぽうドキドキする。この辺りには、昔は人間が生活していたとおぼしき形跡がみられる。なにやらコンクリで固められたもの。ナンだろう?お風呂かな?? こういう形跡が益々うすら寂しい感じを益々盛り上げる。西側の斜面には水もとれるので、昔はそこそこ居心地の良い場所だったのかも知れない。小鳥も多いし、、
周囲には笹藪になっている。これがとっても大きく長いので、丁度釣り竿に使えそうな感じに見える。ある日、この笹を数本持って帰って釣りざおにしようとしていたら、”なにすんの?”っとカマさんに声かけられた。
”いや、持って帰って釣りざおにしようかな、、、っと”
漁協に行けば釣り糸や針は売ってたから、このお手製の釣りざおに結び付けて適当なエサを付ければ、堰堤の辺りにいるエンゼルフィッシュみたいなのとかが釣れるんじゃないかな? いい暇つぶしになるね。。
”あ〜れはダメだよ。竹みたいだけど単なる笹だし、ここは温かいからねぇ、すぐ育っちゃうから笹とは言え全然粘りがないからすぐ折れちゃうんだ。”
あらら、残念。 ちょっと上手く行きそうな感じがしていたんだけどなぁ。
ガジュマルの大木の所から少し登ると再び岩場になっている。主稜線の岩場に比べれば大したものではないから 明るさがあれば問題ない。ちょっとだけ コンクリで整備された感じになっている。ここまでくると 風の感じもずいぶん変わってくる。この辺りも夕陽が綺麗なんだけど、残念なことに最後の最後、海に沈んでいくまでは見えないんだ。丁度稜線の影になってしまって見えない。まぁ その方が諦めが早くなって 明るいうちに下山できるという具合かもしれないね。 夕陽を眺められるポイントから集落までは結構長くジャングルの中を歩くので 少し暗い。もし夕陽を眺めるつもりで行くのなら 懐中電灯なりヘッドライトなりを準備して持っていったほうが良い。
ここからは傾斜の少ないうっそうとしたジャングルに入り込み、”バクダン跡”を通過。バクダン跡というのは大戦中に米軍の飛行機から捨てられた?バクダンの跡らしい。バクダン跡の窪地にはマルハチが生えている。島にはこうした戦争中の傷跡が至るところに残っている。近くにも横穴がいくるかある。登山道の近くの縦穴は、観光客が落ちたりして事故の無いように埋めてしまってある。バクダン跡の向こう側にも、大きな横穴があると聞いている。ただ、まだまだジャングルの中には たくさんの横穴やら縦穴があるので、薮漕ぎのジャングル探検は危険が大きい。キジを打つにも あんまり変な場所に入り込むと危険である。落ちてしまったり、崩れてしまうことが有る。横穴は結構奥深く掘られているので、運が悪いと足元から崩れてしまいそうだし、穴の中には水が溜まっていることも有る。運よく携帯が通じて連絡が取れたとしても、いったいどこにいるのだか探すことは難しい。穴の入り口には 落葉が被さっていたり植物が茂ってしまっているから、隠れてしまっていることも在るそうだ。
バクダンからは しばしだらだらと下り、横断排水溝という 出来上がってみると”ナンの意味が在るのだろうか?”と見かけられる、変な木材のオブジェが邪魔臭い。これは 一昨年ボッカしたものだ。本来なら 道と同じ高さに成るまで石ころを詰め込んで、セットするものなのだろう。しかし辺りにはあまり石ころはなく、”現地調達”とされている 石ころは不足する。明らかに段取りというか、設計ミスだろうな。そのため登山道を横切る、ヘンテコなデカい溝?になっている。これが歩きにくく、油断をすると足首を捻ってしまいそうだ。これが無いと雨が降ったときには水はけが悪く ぐちゃぐちゃになってしまうので、それを防ぐためのものなのだが、、、いいんだか?悪いんだか?
少し登ればシェルターにでる。シェルターの場所からは乳房ダムが見える。このダムの水が集落の飲料水になっている。そう思うと、、、ちょっと、、、、ううむ。濁りに濁ったダムの水は、あんまり見ないほうがいいのかも?知れない。 見晴らしは良くはないが この場所もなかなか気分は良いから、時計回りに登ってくればきっと休憩ポイントに成るに違いない。ダムの方には小鳥も多く、谷いっぱいからチュンチュンというさえずりが聞こえてくるだろう。ここにも すぐ近くまでメグロ達もやってくる。
シェルターからは急な階段道をぐんぐん下っていく。たぶん ガソリンスタンドの犬達の鳴き声や街の音が、ぐっと近くなってくる。時間が早ければ、日章や杉田の働く音が聞こえる。そうしてニワトリがコケコッコー! そうなればもう元地は近い。チトセランとハカラメがある一帯が見えてくれば、登山口はすぐである。
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●グループ山想
奇妙な雑誌「山 想」 会則も、規約も、年会費もありません。グループ参加者(つまり本誌の読者)にはいっさいの制限はなく国籍、年齢、性別を問いません。昔、山登りを続けたことがあり、現在は山とは縁がないけれど、若い時代の登山の想い出とその情熱を懐かしく思っている人たち。若い時代から引き続き、今でも登り続けている人たち。昔の山仲間と語り合い、お互いに近況を知らせ合いたいと願っている人たち。これからでも、山の良さ、素晴らしさに触れたいと思っている人たち。
とにかく山を愛する人達の集まり、グループ山想。山岳会の枠を越えて山を愛する人が自由に参加して、毎年7月に 谷川岳に集結しています。今年10周年を迎えます。
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