ハハジマメグロ
今日も原チャリで材料置場に到着。
相も変らず減りもしない丸太の山に無情を感じる。諸行無常の響きありという平家物語に通じるものであるはずなのだが、ここ母島ではそんなに暗く悲壮なものには感じない。もっともっと 楽しく明るい感じがある。しかし現実はやっぱり厳しく うず高く積まれた材料の山は全部で4山もある。無造作に積み上げられた様は、威圧感すらある。本当に終わるのかいな? そう考え込んでしまうのも事実といえば事実だな。だいたい一日4回登っても階段は8コしか減らない。図面を見てチョッと勘定してみれば総数は計算でき、少しばかり考えてみれば、あとどのくらいボッカしなくてはいけないのか?というのは自ずと結論は見えてくる。えっとぉ〜全部で200回近く登らなくてはいけない。げげげ、、、まだ10回位しか登っていないから、序の口も序の口。ああ、計算しなければ良かったな。気が重くなってきた。 先は長いのであるから、材料は減っていくわけもない。材料はまだ到着していない分も在るから、ここに在るだけで全部終わりではない。なんてこったぁ。全く参ってしまうよなぁ。。
おまけに今回の材料は重い。材料の丸太には 過酷な自然環境で腐らないように、それとシロアリの繁殖を防止するためにか防腐剤が染み込ませてある。母島ではシロアリはまだ居ないことになっている。腐りかけた丸太階段などは、多少そういう感じに見えなくもないのだが、きっと違うものなのだろう? 父島にはすでに被害が出ているらしい。そうでなくとも雨も多く暑苦しいので 腐りやすいことは確かだ。だから用心をして 防腐剤は必携品となる。どうも今回はこの防腐剤が完全に乾燥しきっていないのである。軽いはずの胴木階段も かなりキツい。まぁ やらにゃぁ〜終わらない。 一船遅れでやってくるミウラーに”なぁんだ、全然進んでないじゃない!”っと文句を言われてしまいそうだ。がんばらなくっちゃ。
一人ぽっちの孤独なボッカが今日も始まる。
今日は空の様子がおかしい。ずっと暑かったので この気温は助からなくはないのだが、ううむ、稜線にはガスがでており やばい感じがする。気乗りはしない。”今日はやめてしまおうかなぁ。。。”
遊び心がうずきだすんだ。
”うう、我慢!!”
まだまだ先の長いボッカ生活だから、怪我でもしたら顰蹙である。かといって やらなければいつまででもボッカ生活は続くのである。まぁ 少しだけでも進めなくてはいけない。余り無理せずに行けるトコまで行ってみようと背負子をかつぎ歩きだす。相変わらずメグロたちは チュンチュンとすましながら僕を伺っている。こいつらは何か物事を考えるということをするのだろうか? 母島にいると人間でさえも考えることが面倒になってくる。面倒なことはしなくても幸せである。計算は暗算は面倒だから計算機を使うほうがいい。間違っていても なんとなく過ぎ去っていってしまうから、損をしないようにしなくてはいけないんだけど、不思議とそんなセコイ勘定は みみっちく感じ、ナンか人間的でないような気にさえなってくる。おつりの計算が間違っていても、大抵は後からちゃんと、”こないだ おつりあげるの間違ってた!”っと 居酒屋コーハツにおつりが届くし、そういうめっちゃ正直で嘘のない島の暮らしが そう感じさせるのだろうなぁ。どのみち大勢に影響はないからである。 メグロたちはというともっともっと そういう感じが漂っている。。 不思議だなぁ。こいつらが居ると、それなりに和んでくるんだから、、いいなぁ、この感覚。母島の独特のものであろう。 メグロが近寄ってくる、それだけで 不思議な力で疲れを減らし和ませてくれる。妙なみみっちぃことは 面倒になってくる。やはり母島といえばハハジマメグロだ。ハハジマメグロは母島の生活を象徴しているような気がする。
ハハジマメグロ(Apalopteron familiare hahasima)というのは 母島を始め周囲のいくつかの島にしかいない。父島にもいない。だから ハハジマメグロを見るためには、少なくとも母島に来るしか方はない。ここではハハジマメグロはみんなのアイドルなのである。見た目にもギャングのようなマスクを付けたみたいであるが、これがカッコの割りにはどんくさい、のぉんびり屋さんなのである。島の人達も大変愛し可愛がっている。といっても 餌を上げたり、、といったことをするわけではなく、どちらかというと放ってあるという感じの方が強いかな。絶滅危惧II類(VU=Vulnerable)に指定されており 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるものである。上野動物園には絶滅危惧種としてズーストックとしているようであるが、ここ母島に来れば、それこそ そんなに貴重ではないような気がするくらいにたくさん居る。目にしない日はない。町中にもいるし当然前浜のガジュマルにも現れる。大きさは少し大きめのスズメ。グリーンと黄色の美しいコントラスト、色の混じった感じも綺麗だ。何よりも目の回りの三角の黒いマスクが特徴的で愛らしい。内地のメグロとはちょっと違うのである。
ハハジマメグロは小型の小鳥。小笠原諸島の固有種で特別天然記念物。村の鳥でもある。スズメ位の大きさで、母島の森林に数多く生息しています。集落内でもガジュマルやパパイヤの樹木のあるところではよく見られます。
メグロたちはメジロやウグイスなどと混ざって集団になり、小枝から小枝に移動したりして暮らしている。鳥とは言っても海を飛び越えるほどは飛ぶことが出来ない。ぶぅぅ〜んという音を立てながら バタバタと飛ぶ。どちらかというと 枝から枝に飛び移るというイメージの方が合っているかな。だから 限られた島にしか見当たらない。どうやってここにやってきたのか?は不明であり不思議だ。世界中探しても、この辺りにしか居ないのである。
メジロはというと 人間が持ち込んだものがきっかけで繁殖したと言われる。メジロはメグロに比べると少し小降りでスマートな感じ。目の回りが白く輪っかになっているからすぐ区別が出来る。少しスマートに見えたり性格がきつそうに見かけられる。メグロよりは機敏に動き、一団のリーダーシップを取っているかのように見えるのである。”メジロ押し”という言葉が在るくらいだから、おそらく元々大挙して次から次へとやってくる習性が在るのだろう。母島ではメグロもウグイスも”メジロ押し”の一団を軍団となって形成している。
ウグイスは特攻隊。一団の最初に現れる。小笠原のウグイスは”ホーホケキョ”とは鳴けない。何故か?”ホーホケ”で終わってしまう。もっと短く”ホー”だけだったり、ウグイスなのにチュンチュンと鳴いたりする。最近はちゃんと”ホーホケキョ”と鳴くウグイスも見かけるから、どこかで学習してしまったのだろうか? 人間が”ホーホケキョ”っとお手本をやってしまうから、”あれれ? あれはなんだろう。やってみようかな?”っとトレーニングを積んでしまったのだろうかな? でも ”ホーホケキョ”と鳴くことが出来る 島では珍しい鳴き方のウグイスは、他のウグイス達には、なんとなく”仲間外れ”にされているように見えるのは気のせいだろうか? こういうのも在る意味自然破壊の様な気がするな。
このメグロ、メジロ、ウグイスの一団は、島中で見かける。まず始めに現れるのは決まってウグイスで、すぐ近くまで寄ってくる。続いてメジロが現れ、最後にメグロが どんくさく?登場するパターンが通常だ。小鳥達はどれも興味津々で、じっとしていればこちらの様子を窺いに現れて、すぐ近くまでやってくる。
これら小鳥達は、果物が大好きである。パパイヤをついばむ姿が知られているが、オレンジなどを持っていってあげれば、大喜びでついばむ。不思議だから眺めてみると飽きない。何故か仲間と一緒についばむことはなく、交代に寄ってくる。そして 食べたかと思うとすぐ飛んでいってしまう。暫くすれば別のが突っついて また飛び去る。これを延々と繰返すのである。
ジャングルの中には果物はない。いったい何を食べているのかな? ぼぉ〜っと眺めていたら、メグロが小さな芋虫のようなもんをくわえていった。そういえばメグロのクチバシは細く尖っており、こうした虫を捕まえるには都合がよいようになっている。熟したタコの木の実をつついている様も良く目にする。
トウガラシを食べるという話も聞いたことがある。小鳥達には”辛い”という味覚がないらしい。だから辛いトウガラシも甘い果実も同じようなものなのかもしれない。島中の実という実は、小鳥達の格好の餌となってしまう。とにかく母島には小鳥達はてんこもりである。
今の時期、丁度冬を迎える時期には、ペアリングの時期になる。そうカップルが誕生してくるわけである。これから当分の間 お気に入りの相手を探し、ペアー、つまりは”つがい”になる。そうして寒い?冬には2羽が一緒に行動するようになる。そんなに寒くはないのだが、それでも母島では”寒い”という。小鳥達は寒い冬をペアーになって寄り添って過すのである。実は人間も”こたつ”を持っているらしい。”そんなモン、いつ使うのだろうか?” 気温はどんなに下がっても15度くらいまでは上がるから、内地としたら そんなに寒い気温ではない。しかし ここでは違うようである。 もうしばらくすると、ペアーで追いつ追われつ、そうしてチュンチュンとペアーのメグロが現れる様に成るだろう。そして春になれば産卵。そしてヒナが育ち、再び冬が近づけばペアリングになるのである。
きっと、ずぅ〜っと そういう風に暮らしてきたんだな。
歩きだすとアフリカマイマイが異常に出没してくる。雨の臭いをかぎ付けると、奴等はどんどん出没してくる。きっと元気モリモリ、やる気満々なのである。雨が降るのが解っているのかも知れないな。不思議といえば不思議だ。
どうやら明日からは雨になりそうだ。
小笠原は 昭和47年10月16日に国立公園に指定された。広さは6,099ヘクタールと小さい。ところがこれは陸地面積だけのことだろうな。代表的な島嶼景観,海蝕崖景観,亜熱帯地域の海洋島ということでその島全体はもちろん、実際には島と島の間の海、海中にもその範囲は広がっており、そう考えると巨大なものとなる。
地形地質的には 西太平洋の一大海底火山脈に属する火山列島,新第三紀海底火山の海底堆積層(聟島,父島,母島),第四紀以後の火山活動(硫黄火列島,西の島),カルスト地形(父島の南島,母島の石門山)と変化に富んでいるというより、やたらと広いのでナンでもかんでも含まれている。花崗岩はない。もっと古い火山活動ナンだろう。
植物は亜熱帯性原生林。ことさら母島の石門山,乳房山,南硫黄島の全島は貴重なジャングルが深く残されていて特筆されている。また海岸近くでは亜熱帯性海岸植生となり ギョウギシバ,ハマゴウ,クサトベラ,モモタマナなどが見られるのである。
そしてオガサワラオオコウモリ,メグロ,オガサワラウグイス,オガサワラメジロ,ミズナギドリ,カツオドリ,アジサシ,などの動物も多く、海ガメの産卵地、ザトウクジラの繁殖地にも成っているのである。
動物、植物共に固有種と呼ばれる ここでしか見られない種が多く存在するのが、小笠原の特徴である。母島の小鳥軍団、ハハジマメジロは特別天然記念物。一所に居るメジロ、ウグイスもなんということもなくそこいら中に飛び回っているのだが、なげに3種類揃って仲良く小笠原固有種である。オガサワラメジロ、オガサワラウグイスというのが本当の?名前。非常に貴重な小鳥達なのだ。しかしここにいれば そんなふうに意識することもなく、軍団はあっちこっちに出没する。生きた図鑑、それがここなのである。知れば知るほど 図鑑の中に飛び込んでしまったような感覚が極普通に繰り広げられることを楽しみ ここに居られることが幸せに思えてくる。
小笠原の天然記念物は 数少ない獣類にオガサワラオオコウモリ。これはほぼ絶滅してしまっているかもしれない。僕は見たことはない。鳥類には メグロ、アカガシラカラスバト、オガサワラスノリ。ノスリは稜線の岩場からは眼下に良く見受けられる。
昆虫類には オガサワラシジミ、シマアカネ、オガサワラトンボ、オガサワライトトンボ、ハナダカトンボ、オガサワラタマムシ、オガサワラセスジゲンゴロウ、オガサワラアメンボ、オガサワラクマバチ、オガサワラゼミ。セミは鳴いているのは聞いたことがない。僕が訪れているのが冬だからだろうと思っているが、居酒屋情報では、その数はめっきり減っているようだ。シマアカネは綺麗な赤とんぼ。絶滅したららしい。
陸貝としてヤマキサゴ科、クビキレイガイ科、カワザンショウガイ科、オオミミガイ科、オカモノアラガイ科、キセルガイモドキ科、エンザガイ科、コハクガイ科、ベッコウマイマイ科、ナンバンマイマイ科。これは何故か ”科”という指定が為されている。
その他にカサガイ、オカヤドカリ。それから南硫黄島は島そのものが天然記念物および原生自然環境保全地域に指定されている。
この他にも、天然記念物には指定されていなくても貴重な動植物が多く、その中でここでしか見られない、存在しない貴重な種も非常に多いのである。残念ながらこの中の数種は、居酒屋コーハツ情報では既に見かけることはないという種もある。実は居酒屋の馬鹿話は、結構最新情報になっているのである。
これから どんな体験をすることが出来るのだろうか? どんな面白いものに合うことが出来るのであろうかな。興味津々 とっても楽しみなのである。
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●ニッピン秋葉原登山本店
僕も永年、メスナーテントを大事に愛用しています。今は無き?エントラントのメスナーテントは軽くて使いやすく、冬山の尾根筋での強風の中でも設営が比較的容易なのが魅力です。先にテントを固定出来るのが今でも魅力的だと思います。山の道具を作り続けて半世紀!登山とスキー・スノボの店ニッピンです。
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