一番の害虫は人間なんだな
さてさてナンバンマイマイ科は、”南蛮”というくらいで、イメージとしては東南アジア、そう南の方に生息していそうな感じである。事実ナンバンマイマイ科のマイマイは この辺りに多く居るらしい。千葉さんは、東南アジアの諸国のナンバンマイマイ科を片っ端から探し始め、遺伝子を用いてこのカタマイマイのルーツを探すべく研究をしている。母島のカタマイマイの遺伝子を調べて この遺伝子と同じ、または良く似たものを探してみようというものである。そうすれば カタマイマイ達は どこから希望の別天地を求めて旅立ってきたのか? が解るのである。
小笠原のカタマイマイは どういう理由かはともかく、現在のようになって生態系を作っている。それは ここにやってきて調べてみれば解明できる。それでは そのルーツ達は今、どんな所で いったいどういうふうな生活をしてどういうふうになっているのか? 同じルーツのカタマイマイが 環境の全く違う中、どう変わっていくのだろう。。とっても興味ある。海流を考えれば 南の方から流れ着いたというのが 考えやすい。海流に乗って辿り着いたのだ。だから ルーツは南の方、東南アジア。ベトナム、フィリピン、、、、なんてところが思い浮かぶ。ところが 何年も探してもカタマイマイと同じと考えられる遺伝子は見付からない。どうしたことだろうか?
研究はきっと のぉんびり続けられた。
出かけてはサンプルを採り分析。また出かけてはサンプル、そして分析。ところが一向に同じ遺伝子を持ったマイマイは見付からなかったという。
ある日 内地の研究室でのこと。大学生の遺伝子を調べる実習で、被験物の用意するのを忘れてしまった。仕方がないので校舎の裏に行って”でんでんむし”を捕まえてきて これを代りに使った。そう、やりだせ、つのだせ、、のアレである。ところがぎっちょん。この遺伝子配列を分析してみてびっくり。 ”あれ?” 良く見慣れた遺伝子配列である。そう、小笠原のカタマイマイの配列にそっくり。
なんだ? 目の前に在ったじゃないか?
内地で僕らが良く目にする、でんでんむし、カタツムリが、小笠原のカタマイマイのルーツだったのである。つまり 南からではなく、僕らの住む本土から、、北からやってきたようである。これも在りえないことではないらしい。渡り鳥は北からもやってくるから、、、。 また、太古の昔は 現在の海流と違い、向きや方向が違っていたということもある。とにもかくにも 本土のカタツムリと小笠原のカタマイマイは仲間だったのである。
カタツムリは オナジマイマイ科に属している。ところがオナジマイマイ科であるカタマイマイが、小笠原に行くとナンバンマイマイ科に変わってしまう。いや これはおかしい。そういうことがあるのかな? 実はそうなのかもしれない。かなり特殊な事が起こってないとは断定は出来ない。なにせこの変化の過程は、誰も見ていたわけではないのだから、、、、普通に考えると、、、実はカタマイマイはナンバンマイマイ科と思われていたが、遺伝子的な研究など無かった時期の通説であろう。遺伝子的にみるとオナジマイマイ科であったのだ。そう、間違っていたということになる。 そんじゃ簡単だよね。図鑑を正しく書き換えればいい。いや、そうしないと いけないよな。
しかし 学者の千葉さんの研究は、人類のポイントからずいぶんヌカ喜び、ロマンとは程遠い、妙に身近な所で結論に到達してしまったようである。なんか 力が抜けるんだろうなぁ。。
ここで大問題が発生する。実は小笠原のナンバイマイマイ科は天然記念物である。天然記念物は環境庁が指定している。何故かは解らんが、カタマイマイと指定して書かれていない。だから カタマイマイがオナジマイマイ科になってしまうと天然記念物ではなくなってしまうのである。天然記念物として資格がない訳である。小笠原のナンバンマイマイはいなくなり、天然記念物である小笠原のナンバンマイマイは絶滅??になるのかな? それだけでなく、オナジマイマイ科は害虫とまで指定されている。カタマイマイは天然記念物から転じて害虫となる。げ、天国から地獄とはこういう事?というくらい カタマイマイを巡る扱いは一変してしまうのである。
んじゃ、環境庁が天然記念物の指定を”ナンバンマイマイ科”から”カタマイマイなど”みたいな感じで変えてくれればいいじゃないのかな? と思うよね。そう、それが一番いい。しかし この天然記念物の指定がきちんと決められるまで、いったい何年の年月が必要なんだろうか? カタマイマイがオナジマイマイ科に相違ないという事は解ってしまった。たぶん学会なりに論文が発表されればこれは事実として認められて認識される。図鑑も変わる。ところがオナジマイマイ科は害虫である。そういうふうに指定している。だから 駆除しても一向に悪いことはない。会議をして、現地調査をして、また会議をして、、、、5年後、10年後にカタマイマイが天然記念物に指定される頃には ひょっとしたらカタマイマイは絶滅してしまっているのかも知れない。そうでなくとも ずいぶんと個体数は減ってしまっている。その位、島の生態系はデリケートで弱いものである。そして 非常に複雑でややこしい。一つの決まりごととして決め付けてしまうのは無理がある。全てが物凄く上手く保たれたバランスの上にデリケートに成り立っているのである。
母島では てんこもりにあふれ変えるアフリカマイマイは、何故か?父島ではめっきり見かけない。これは実は マイマイカブリというマイマイ専門に捕食するものを入れてしまったらしい。そうすると数年で、マイマイの類は激減する。母島では 確かにアフリカマイマイは邪魔臭く害虫であるが、他にも貴重なマイマイが存在し、これを守るためにマイマイカブリは入っていない。しかし カタマイマイがオナジマイマイになってしまうと、形式上は貴重ではなくなってしまい、天然記念物ではなくなってしまうのである。いつしかマイマイカブリの類、これが入ってきてしまったら、母島の全てのマイマイが激減して、、いや壊滅してしまうに違いない。
島のバランスは すぐに理解することが出来る。体験すればいい。説明することは難しい。理解をしたければ島に来ればよい。歩いて、触って、見てみて、、、、そうしていればよい。そうしているうちに一番いけないことは 実はこうして色々な物を持ち込んでくることだということが解ってくる。
実は 人間が居なければ、アフリカマイマイはいないし、野良猫もいない。アカギの木もないし、ガジュマルやメジロ、アノールもいない。ねずみもゴキブリも居なかったに違いない。この島の生態系は いかに違ってしまっているのだろうか?絶滅してしまったモノも、実は人間が開発しなければ 絶滅しなかったのかも知れない。便利だからと道路を造り、抜開したから自然が減ってきたのは明らかである。しかもこの島には 戦争という切迫した状況下の時期があり、こうして自然はねじ曲げられてきたのである。今でも道路は作られているし、多くの観光客を呼び集めようとしている。けど、実は これらの行為は 人間にとっては便利だったり必要だったりするのだが、島の自然にとっては どうでもいいことなのかも知れない。こうやって考えていると 一番の害虫は? 実は人間だということをヒシヒシと思い知らされるのである。
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●コスモトレック&トラベル株式会社
ヒマラヤ登山の超定番。 カミさんがエベレストに参加したときにも利用させていただきました。お世話になったことがある方も、きっと多いことでしょう。創立以来、登山隊、調査隊、撮影取材隊、など大掛かりなパーティのサポート、トレッキングや観光旅行の手配にも豊富なに多くの実績と経験。ネパール政府の許可を必要とするメジャー登山隊や中国への登山隊の取り扱い、テレビ取材や各政府の調査のお手伝い等。
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