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       アフリカマイマイは美味いのかな?



    朝の前浜は 結構早い。前浜は 農協と漁協のすぐ前、ガジュマルの辺りから その辺だ。要するに町の中心である。

    島民は 朝早くから桟橋や堤防にくりだし、釣りを楽しむ。暗いウチから繰り出しているらしい。今日は”ピーーピーー”という特徴的な鳴き声を響かせる独特の鳥は鳴かない。あの鳥が”ピーーピーー”っと鳴くのは3月くらいの 極限られた時期だけのようである。だから今は鳴かない。オマケにガジュマルの辺りにも鳥が少ないなぁ。少し残念だ。それでも島の朝はやっぱり早い。そうだな、5時くらいにはもう、たくさんの人達が思い思いに時間を楽しみたたずんでいる。

    前浜のガジュマルから 山の方へ向かう。農協と漁協の間の道だ。郵便局は農協のウラにあり 隣の交番にはちゃんとパトカーも止まっている。ガジュマルの辺りは前浜と浜辺、波止場があるだけでなく、実は集落の中心地なのである。

    交番の横には橋があり川が流れている。 それを渡れば前田商店。その向かいには役場。役場の前の小さな公園には キリンやらなにやらの石像?があり、電話ボックスが在る。ここの電話ボックスには、”お友達に聞かせてあげよう!”とばかりに ハハジマメグロ、ザトウクジラ、バンドウイルカの泣き声が出るボタンのついたボックスがあるが、これを押すと びっくりするくらいに大きな音量でプレイバックしてくれるので ”やば!”っとびっくりして、つい辺りを見渡してしまう。もう少し”おしとやか”でもいい気がするのだが、、、。

    役場の並びは保育園があり、コーハツは保育園の向いにある。



    今、前田商店には大きな梅干しが品切れになっている。梅干しは次の船までは運ばれてこないから入荷はしない。一船遅れでやってくるミウラーには”梅干しを大量に買ってきてくれ!”と頼んでおいた。同じ船で東京から運ばれてくるんだったら、東京で買ってもらったほうが良いような気がする。ここでは 梅干しは梅干し。選択の余地はあまりない。とりあえずに、、、と、とどむさんが高級そうな梅干しをもってきてくれた。大きくて美味そうだナ。これが日昼のおべんとうになる。

    今日からは現場には原チャリで行く。なんか 自分専用の移動手段をゲットしたので気分が良い。自由、、、という感じかな。行こうと思えば どこへでも”ブゥン!”っと行ける。いくら小さな島だからといっても、小さい分道はくねくねしているし、平地は少ないから 少し離れればアップダウンもあるしやっぱり歩くとなれば気が重くなるからね。



    現場までは前浜を左に曲がり、石次郎海岸の上の急坂を登っていく。そう、ガジュマルの所。そこは島では数少ない交差点になっているのです。坂の上まで来たら神社の先を左に入り あとは道なりに真っ直ぐだ。道は舗装されている。島の舗装はアスファルトではなく、アメリカと同じくセメントで出来ている。夏はとっても暑いだろうから、アスファルトじゃすぐダメになっちゃうからだろうね。車で走ったときには気に止めなかったが 道は舗装はされているものの物凄い急坂で、この非力な原チャリでは止まってしまいそうな勢いになる。仕方がないので両足をバタバタさせながら、少しでも進むように頑張ってもらわなくてはいけない。
    急カーブでもブレーキなんて 絶対にかけてはいけない。そんなことをしたら止まってしまうからね。途中の急坂では、ぱっと視界が開けて ”ばぁ〜ん”とキラキラした海が見える。ちょっと ドキッっとするくらいな景色で、僕のお気に入りのポイントになっている。余りの急坂のために海が妙な角度に見えて錯覚を起こして 向島と水平線が変。この妙なバランスが刺激的で酷く気に入ってしまう。道はさらに奥へ奥へと延び、少し傾斜が落ち着いてきたな!っと思うと農業用のダムで行き止まりになる。材料を置いてある現場は、そのすぐ手前にある。
    道端には少しばかりビニールハウスや畑も在る。島にはアフリカマイマイが大発生しているので、これの被害をなくすために苦労している。折角作物を作ってもマイマイのエサになってしまうのである。人間が持ち込んだものだが、いやいや困ったモンである。

    ナンでこんな面倒な物を持ち込んだのかなぁ?



    本日も相変わらずボッカして、前田の発泡酒をプシュ!

    だんだんペースが上げられる。4便出せた。



    居酒屋コーハツにはたっくさんの”にわか学者”が居る。これがまた習うより慣れろ!とは良く言ったもので、こと小笠原の事ともなれば ちょっとした学者よりは確かで現実的なことを良く知っている。生きた学問というヤツだ。

    僕でさえ いろんな事を覚えたし、滞在中には色々なことを実地で体験してきたんだ。でもってアフリカマイマイ。一般的には”薬用”ということになっている。こんなもんが何の薬になるのかは知らない。薬だったものが逆に害に変化するのだから不思議である。これとは別に通説としては”食用”として持ち込まれたというのがある。これの方がリアルだ。

    戦争中にか?食料に困ったため、島の気候風土に合って 簡単に大量に養殖できるという種が都合がよかった。そのため種が持ち込まれたというのが有力である。東アフリカ原産のアフリカマイマイの成育には、まさに小笠原の条件はマッチしていた。そのため効果絶大。あっという間に大繁殖してしまったというのは、とってもリアルに理解できてしまう。

    こうやって 大洋島である小笠原の島々にアフリカマイマイは持ち込まれてきた。いわゆる人間が持ち込んだ外来種である。こうした人為的外来種はアフリカマイマイ以外にも、アカギの木、ネズミ、アノールも外来種である。それどころかメジロもガジュマルさえも外来種。結構人間はいろいろなものを持ち込んできている。今ではゴキブリも居る。最近話題に上るのはネコ。ペットとして飼われてきたものが これが繁殖し過ぎてなのか野ネコと化し、メグロやらの小鳥や特別天然記念物のアカガシラカラスバトなどを捕食して固体数減少の原因ではないか?と言われている。

    これらの元来島には居ない外来種は すでに島において生態系を犯しているというより割り込んでしまっているようで、今となっては単純にどうできるわけではなくなってきてしまっている。とっても難しい。ネコはネズミを捕食してくれる。そのネズミはアフリカマイマイを捕食する。アフリカマイマイは 魚にも捕食されるため、貴重な餌になっていたりする。人間はアフリカマイマイを食っている魚を食うのかな? ううむ。なんとなく気分が悪いなぁ。でもイシガキダイのようなものは、どうやらマイマイも食するみたいであるよ。こんな状態だから もし今仮にアフリカマイマイが島から居なくなったら、それはそれで問題に成るような気がするのである。バランスが崩れてしまうのである。今や余りに多くの動物がアフリカマイマイを捕食して、生きているのかも知れない。

    アフリカマイマイの抜け殻のお陰で、ヤドカリ君達は大きなマイホームが簡単に手に入るから、それはそれで大喜びに違いない。アフリカマイマイの担いでいる殻はとっても大きくなるが、殻自体が薄く割れやすいという欠点があるのだが、、、それでも実に大量に在る。住宅事情が良くないのはヤドカリ君も同じ。ヤドカリたちは、完璧とは言えないまでも簡単に手に入り、大きな殻を使うようになるのである。まさに不完全な欠陥住宅?を値段に負けて購入してしまう、人間の現代住宅現状にも似たような状態に見えるのは皮肉なものだな。丈夫、身体に良い、などの利点が解っていても、昔ながらの家を自分の物にするのは僕らにとっては不可能と思えるくらい大変だ。やっとマイホームが持てたとしても、合板やクロス張りの家で我慢する。これでも充分大変なことだよね。いずこも同じ葛藤が、ヤドカリ君達にも起きているに違いない。

    最近はヤドカリ君たちは このお陰だろうか? ずいぶんと個体数が増えてきたんだ。ボッカをしていると下ばかり見ているから頻繁に見かけることになる。”カサカサカサカサ”っと音を立てるマイマイの殻がある。僕の近づく気配に気が付いたヤドカリ君だ。見た目にはマイマイ。でも中にはちゃっかりその中にヤドカリ君がすんでいるのである。



    写真はアフリカマイマイの殻を住いにするムラサキオカヤドカリ



    そんじゃぁ もともとアフリカマイマイが人間の食用として持ち込まれたんだったら、ひょっとして美味しいんじゃないのかな?



    居酒屋コーハツでは こういう下らないアカデミックな疑問は異常なくらいに盛り上がる。内地にいるときは共通の話題に困ることも在るが、ここでは回り中に珍しいことが多く、楽しい話題にになっていく。

    実のところ、アフリカマイマイは本当に食用になるらしい。この島では余りに大量に居るので気味が悪い。特にゴミに群がる様、潰れたときに殻のなかから飛び出てくる余りに大量の子供マイマイ、あの臭い、、、、、

    元来害虫であることも間違いがないらしい。作物を荒らしてしまうのはその繁殖力の強さ。しかもあの身体にまとったヌルヌルは毒がある。だから 食用にするにはまず、あのヌルヌルを丁寧に取り除かなくてはいけないことになる。。。と 戦闘機の山本さんが講釈が始まった。山本さんはかなり太めである。島の飯場で料理をしている料理人。戦闘機のようなブルン!ブルン!という巨大サウンドを響かせる車に乗って現れる。この戦闘機のサウンドは、遠くはなれた乳房山の稜線でボッカしていても”ああ、山本さんの戦闘機だ!”と判るくらい大きく、特徴的である。戦闘機が居酒屋コーハツの前を通過するときには、挨拶代りに必ず2回ほど”ブルン!ブルン!”としていくのである。そんな事をしなくても あの巨大で特徴的なサウンドはみんながソレと判っているのだが、、、、、

    世の中にはこういう”でんでんむし”を食って”美味だ!”という人々もいるらしい。でんでんむし? そう、あのエスカルゴ、あれらしい。本来のエスカルゴはアフリカマイマイではないのだが、代用品で缶詰なんかになっている安物のヤツにはアフリカマイマイも多いらしい。事実アフリカではフランス向け?の輸出缶詰用に養殖すらしているらしい。げげげ、、、 幸いにも僕はエスカルゴは食ったことが無い。すこしばかりほっとする。どうせ貧乏な僕が食せるようなエスカルゴは 安物に相違ない。そうなれば まがい物のアフリカマイマイを食ってしまっている可能性は疑いがないから。。。
    山本さん曰くは、あのヌルヌルを丁寧に取ってしまえば、あとは調理と味付け次第だというのである。ふうむ、これは嘘くさいかも? 山本さんはつわものだからなぁ。僕に食わせておいて、”ホレ食ってヤンの!”っと あとから大笑いの種にするかもしれないぞ!? しかし味付け次第では 美味いように思う。大体、貝類みたいなモンだからなぁ。。。 ”大丈夫だから料理は任せておけ!”と山本さんはやる気満々。”いいから ヌルヌルを取って持ってこい!”

    話は盛り上がる。”げぇ〜気持ち悪い!”

    でもなぁ〜 理屈では理解できるけど、やっぱ食えないよ。

    西条さんが言うには、昔は父島でマイマイ焼きを出していたラーメン屋?があったらしい。今は残念だがそんなことはしていないようで、残念だ。西条さんは 相変わらずろれつが回らないので 嘘っぽいのだが、”食った。”と言う。”本当?” たぶん この人は嘘とは無縁のイイ人なので たぶん本当に食ったに違いない。

    その昔は 父島に赴任してきた内地からの人の歓迎会には欠かせない御馳走、、、ということになっていて、”これは小笠原の特産です。”とでも紹介したのだろうか? そんな作り話のようなことがあったか?なかったか? 翌日にでも、”昨日食ったのは なんですか?” と尋ねると、コレ!っと指さされるアフリカマイマイは、うじょうじょ。食った人のびっくりした顔が目に浮かぶような話である。



    こんな話をしていると、”マイマイ?隼人が食ったことあるよ。”っとまもると観光協会の坂入さんが言いだした。”そうそうテレビに出た時にねぇ。。” テレビ?? なんでも昔、テレビ番組で マイマイを食うというのをやったらしい。そんだこんだしていると張本人、役場の千葉ちゃんが いつものサッポロ黒ラベルをぶら下げて現れた。本人から聞くのが一番早く正確だ。

    ”食ったよ!”

    開口一番、本当らしい。どうだった?? 酷く興味津々だ。どうやら千葉ちゃんは生きているから死ぬことは無いらしいが、ひょっとしたら人生が狂っているかも知れないが。 脳の一部がイカれたかな?

    千葉ちゃんは 持ってきた黒ラベルをいつものように冷蔵庫にしまい、すこし薄笑いを浮かべながら そのうちの一本を取りだしてプシュッ! ”あ〜疲れた”っと トイレに近いほうの席に落ち着いた。”でさぁ〜、、” みんなは千葉ちゃんの講釈に期待する。ビールの入っていた手提袋を これでもかと几帳面に畳みながら話は始まるのである。”味はね、ツブ貝だよ。味というより食感を楽しむというか、、、”

    父島の浜での事。テレビの取材が在るというから、実行部隊として狩りだされた。まず始めにイット缶にお湯を沸かして殻から出したマイマイをごそっと入れる。物凄い臭いだから、臭いが移ってしまうから鍋は使わないでイット缶を使うらしい。臭いが出るから浜辺でやったらしい。これをぐらぐらと煮出す。辺りには異様なにおいが立ちこめる。塩をいれただとか?入れなかっただとかは、分量などははっきりしない。結構煮えるまでというかぬめりが取れるまで時間がかかるから、当然酒を飲み始める。既にいい気分に成ってきているころ マイマイは料理されてでてきた。番組が成立しないから酔いに任せて”パクッ!”

    だいたいこんな話だ。興味ある味に関しては、”酔っ払っていて良く覚えていない”らしい。



    どうやら 見た目には気持ち悪いが食えることは間違いが無いらしい。食べ物としてはアワビやツブ貝に近いと想像できる。良く考えたら、貝類も食い物と想わなければかなり気持ち悪い格好をしているよね。きっとマイマイもそんな感じなのかな? そうとなれば一度食ってみたいものである。味はきっと大した味ではなく、調理の仕方によってなんとかなるモンみたいだ。でもなぁ、、、臭いが凄いらしく、ヌルヌルを取る作業をしているだけで 島中の人達に知れ渡ってしまいそうだ。島ではマイマイというのは気持ち悪いものと相場が決まっている。その気持ち悪いものを美味そうに食う僕。あいつは気持ち悪い奴と思われてしまうのも、その後の島生活が不安だな。みんなに えんがちょ!されて人間扱いしてもらえなくなりそうだ。

    マイマイ?食ったこと有るよ!

    この話題は 当分の間盛り上がりを見せた。



    ●フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より、、引用。
    さらに詳しくはこちらで検索してみてください。

    アフリカマイマイ(阿弗利加蝸牛)は、腹足綱柄眼目アフリカマイマイ科に分類される巻貝。近縁種とともに世界最大の陸産巻貝の一種である。
    本種を中間宿主とする寄生虫(広東住血線虫)は、人間に寄生した場合、好酸球性髄膜脳炎を引き起こす危険があり、場合によっては死に至る。触る、這った跡に触れる等してもこの寄生虫に寄生される危険があり、大変注意を要する生物である。
    日本では植物防疫法により有害動物指定を受けており、分布地からの生体の持ち込みは原則禁止されており、世界各国でも本種の生体の持ち込みは禁止されている。一方で外来生物法においても要注意外来生物に指定されており、世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種にもなっている。
    東アフリカのモザンビーク、タンザニア付近のサバンナ地域が原産といわれている。主として人為的に移植されて分布を広げ、現在は東南アジア、インド洋、太平洋域の大陸島、海洋島(モーリシャス、スリランカ、ハワイ諸島、台湾、タヒチなど)、西インド諸島、カリブ海沿岸地域といった熱帯地方のほとんどに分布している。
    日本では南西諸島のうち奄美大島、徳之島、沖縄本島、宮古島、石垣島に、小笠原諸島のうち父島、母島、南鳥島に分布する。気温の関係から奄美より北には定着できないとされていたが、2007年10月に鹿児島県出水市と指宿市で相次いで個体が発見され、現在県により駆除作業が行われている。いずれのケースでも複数個体は見つかっていないが、定着した可能性も否定できず、捕獲わなを仕掛けるなど警戒を強めている。
    成貝の殻径が7ミ8cm、殻高が20cm近くに達する世界最大級のカタツムリである。 殻は右にも左にも巻くが、一般的には右巻きの方が多い。殻の色は食性により変化し、通常は茶色が多い。
    夜行性で昼間は草地や林縁部などの土中に潜んでおり、夜になるとエサを求めて移動する。のろいカタツムリのイメージとは異なり、移動速度はかなり速く、一晩で50m以上も移動する。
    雑食性で広汎な食性を有し、ほぼあらゆる植物の芽、葉、茎、果実、種子を食べる。それ以外にも落ち葉や動物の死骸、菌類など、とにかくえり好みをせず何でも食べる。また巨大な殻を構築するカルシウム分補給のためにとして砂や石、ときにはコンクリートすら摂食する。稀に共食いをすることがある。 とくに農作物などの柔らかい植物が大好物で、ゆえに農業害虫として農家から非常に嫌われている。ナメクジと同様にビールを非常に好む。
    雌雄同体で卵生であり、2匹が出会うと交尾しその後その双方が産卵する。交尾は30分から2時間ほどかかり、一度の交尾で得た精子は体内でその後2年ほど保存することができる。一回の産卵数は100ミ1000個以上であり、これを約10日の周期で繰り返すため、すさまじい繁殖力を誇る。成長も早く、孵化後半年から1年で成貝になる。
    生命力も強靱で、原産地アフリカの環境に適合しているため乾燥に強い。殻口に蓋をして仮眠状態になり、半年以上持ちこたえる。ただし低温には弱い。成貝の寿命は歯舌が磨り減って摂食不可になるまでの3ミ5年ほどである。
    日本における本種が分布するいずれの島においても、食用目的で人為的に移植された経緯がある。沖縄には1932年以降に台湾経由で移入され、当初は養殖動物として厳重に隔離され、飼育されていたが、沖縄戦を機にこれらの飼育個体が野外に逸出した。なお、台湾ではいまでも本種を養殖しており、一部ではあるが食用にしている人々もいる。奄美大島へも、やはり食用として陸軍が持ち込んだ。小笠原へはジャワ島から持ち込まれた。
    沖縄県では逸出時期がちょうど敗戦直後の食糧難の時代であり、途方もなく大きな本種は当時県民の格好のたんぱく源になった。しかしほどなく食糧事情は好転し、日本にもとより陸産巻貝を食べる習慣がなかったことや、外観が敬遠されるようになり、放置された個体が桁違いの繁殖力で爆発的に増加した。
    小笠原諸島や沖縄県では一時期猖獗を極め、道路上一面を本種が占め自動車が本種を踏み潰しながら走る光景が日常的であったとさえ言われる。本種による農業被害も甚大になり、小笠原諸島では駆除した本種を各自治体が買い上げることで対処していたが、小1時間でトラック1台を満杯にしたという。1969年になると沖縄県で好酸球性髄膜脳炎の患者が初めて確認され、病原体である広東住血線虫 Angiostrongylus cantonensis の中間宿主である本種はさらに忌み嫌われることになった。
    その後、沖縄県では防除剤で定期的に駆除するようになり、その効果もあってか1985年ごろから個体数が徐々に減少していったが、それでもまだあちこちで目にすることができる。なお小笠原諸島の父島では1989年を境に個体数が激減したが、母島の個体群は健在である。父島個体群激減の原因は不明だが、小笠原諸島の陸産貝類の個体群を捕食により次々に壊滅状態に追い込んでいる外来の陸生プラナリア、ニューギニアヤリガタリクウズムシが絡んでいるものと見られる。
    広汎な食性を有し、強靱な生命力、無類の繁殖力を誇る本種は侵入先の生態系に対して壊滅的な影響を与える。とくに大陸と隔絶されている海洋島の生態系に対しては、天敵に対して無防備な固有種植物群を絶滅に追い込むまで根こそぎ喰い荒らす。
    また、旺盛な食欲でエサを横取りする、という一次被害もさることながら、それ以上に本種が海洋島の陸産貝類固有種に及ぼした二次被害の影響は計り知れない。主として太平洋の海洋島においては、本種の駆除のため肉食性のヤマヒタチオビ Euglandina rosea (Ferussac, 1821) が導入された。しかしいずれの島においても同種はアフリカマイマイには見向きもせず、ずっと捕食しやすい海洋島固有種を狙ったので、各島における陸産巻貝固有種は危機的なまでにその数を減らし、とくにハワイ諸島やタヒチにおいてはかなりの数の種が絶滅した。日本もその例に漏れず、ヤマヒタチオビを導入した小笠原諸島父島において陸産貝類固有種は1属を除いて絶滅した。残った小笠原固有種カタマイマイ属の命脈も、おそらく本種及びヤマヒタチオビを父島から駆逐したニューギニアヤリガタリクウズムシの侵入によりいまや風前の灯火と化している。
    日本において、本種は植物防疫法により有害動物指定を受けており、生息地である奄美諸島、沖縄県、小笠原諸島の各島からの持ち出し及び日本本土への持ち込みは禁止されている。また日本に限らず、いまや世界各国で本種の生体の持ち込みは禁止されており、アメリカ合衆国においては国内移動であっても厳しく罰せられる。
    本種を中間宿主とする広東住血線虫に感染することで発病する好酸球性髄膜脳炎については2000年に沖縄県で死者がでており、また小笠原諸島ではかなりの確率で同虫のアフリカマイマイへの寄生が確認されている。ゆえに本種に素手で触れるのは無論のこと、本種の這った跡に触れること、這った跡の残る野菜類を生のまま口にするのも危険である。なお本種の駆除や防除にはナメクジ用の農薬が効く。ナメクジ同様ビールを用いた罠を仕掛けるのもよい。
    いっぽうで、当初食用として日本に持ち込まれたものの食材にならなかった本種であるが、台湾や中国など本種を養殖して輸出や食用に用いている国もある。フランスでは絶滅寸前のエスカルゴの代用品として本種を用いている。なお安物のエスカルゴの缶詰の中身は、本種であることが多い。
    オカヤドカリは、アフリカマイマイの殻をしばしば利用している。陸生巻き貝の殻は殻質が薄いものが多く、厚みのあるものはほとんどない。オカヤドカリは殻質の厚い貝が好みであり、沖縄県では大型の個体はたいていアフリカマイマイの殻を使っている。
    インド洋、太平洋のほぼ全ての離島に導入され定着した本種だが、オーストラリア領クリスマス島のように定着できなかった島もある。同島に定着できなかったのは、島に多数生息するアカガニ(en:Red Crab)が幼貝の強力な天敵になったからと考えられている。
                        
         
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    ●ニッピン秋葉原登山本店

    僕も永年、メスナーテントを大事に愛用しています。今は無き?エントラントのメスナーテントは軽くて使いやすく、冬山の尾根筋での強風の中でも設営が比較的容易なのが魅力です。先にテントを固定出来るのが今でも魅力的だと思います。山の道具を作り続けて半世紀!登山とスキー・スノボの店ニッピンです。
                   
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