hahajimaLife


       船長はまもる



    ボッカな毎日は相変わらず続いているが、今日は待ちに待ったお休みの日である。僕らのお休みは自分達で勝手に決めている。自分達のサイクルで”疲れたなぁ!”っと思うころ、4日やって1日休み、、、という感じで休んでいる。そのほうが無理をせずボッカが出来るので、効率的ではある。疲れた身体では能率が良くないのだ。いくら慣れてきたとはいえ、やはり毎日となるときついのである。だから 自然にお休みは必要である。島の人達は日曜日がお休みである。だから 今日はお休みではないのである。お休みは僕らだけ。朝はゆっくりしたいものであるが、飯場の朝は早い。僕らは休みなのだが、島中の他の人達は休みではないから飯場の朝食の時間はいつもと変わらない。島の朝は早く、仕事も早くから始まる。食事は7時になると片付けられてしまうから いつもと変わらず早起きをして急がなくてはいけない。間に合わなければ食いそびれてしまうことになる。

    ボッカの毎日で足腰はかなり疲れ果てている。朝食を食いに行くには学校の横の長い坂道を登らなくてはいけないのだが、これがだんだんにしんどくなってくる。真っ直ぐに登っていくと辛くなるので、ジグザグに、、、右に左にと蛇行しながら登っていくと 少しは楽な様な気がする。

    そう、そうすれば少しは傾斜が弱く成るんだな。

    別に朝から酔っ払っているわけではないんだよ。
    朝食後はゆっくりし、飯場で作ってもらった山本さんの弁当を持って まもるの船で海に出掛けようという計画である。山本さんの弁当は 強力に飯が多い。そしてかなり挑戦的なボリュームがある。これでもか!と詰め込まれた飯。あふれんばかりのおかずという具合なのである。ボッカ仕事で疲れているから、腹も減る。この弁当はこういう状態では非常に有りがたく、足りないということは一度も無かった。むしろこの絶妙に”多いかな?”というのがいい。身体がきつくなってくると もし弁当が足りないと、仕事をやる気が飛んでいってしまう感じがする。”今日は弁当が足りなかったからなぁ〜腹へったぁ〜。。。”と力が出ないというのは単なる言い訳といえばそうなのだが、、
    前浜に止めてあるボートに移動する。今はホエールウォッチングのシーズンで、乳房山の稜線からもブリージングは頻繁に眺められている。今日もっと近くで、そう ボートから眺められるかな?

    少々の装備を詰め込みボートに乗り込む。慣れないもので 飛び移るのは少し怖いね。飛び石つたいに川を渡るのは出来るのだが、ボートは常に波に乗ってゆらゆらと揺れているから それだけでナンか感じが違うのである。

    ”お前は前! 重しだよ重し!!”



    ボートの後の方だけに人が乗ってしまうとフロントが浮いてしまって安定しないというのだが、、? そうなのかもしれないし、、 とりあえず怖々ボートの前の部分のポジションに収まりそこいらのロープにしがみつく。当然座席はついてないから振り落とされないようにしなくてはならない。そしていざ出発。 ははじま丸を追うように付いていく。海から見るははじま丸は大きくたくましい。入り江の中は波も治まっており静かであるが、一度出てしまうとボートは波を気って大きく揺れる。”うぇえ! 振り落とされる!!” おまけに波をかぶり冷たい。ボートから見る波はとっても大きく、びっくりだ。こんなの慣れないとやっぱ怖いよ!
    ははじま丸を見送ると、平島とははじまの間の沖港内ををぐるぐるしてみる。



    ”今日はいないなぁ。。”



    船長まもるはつぶやく。



    ”おまえら 運が悪いよ!”







    海の上は風も強かった。陸地ではそよ風程度にしか思わなかったが、かなり寒い。とてもじゃないけどTシャツでは寒い。トレーナーを持ってきて良かった。着込むと少しは楽になるが、それでも移動している間は 風を切っているから爽快といえば爽快。寒いといえば寒い。暫く動いて船長はボートを止める。エンジンの音がなくなると静になり、風と波の音が聞こえる。なかなかいいモンである。

    実はエンジンを使って動いている間は、エンジンの音がうるさくて会話も出来ないくらいなのである。
    ”あ、あれカツオドリじゃぁないかぁ? ほれ!”





    ふぅん あれがそうなのか? 特徴的な格好の鳥なのだが、遠くって良く解らないわい。南崎は繁殖地として有名だったな。しかし実は僕らが来る涼しいときには 母島の南崎にはカツオドリはやってこない。南崎はカツオドリの繁殖地であるのは本当のはなしであるのだが、、、、ふわふわの白い雛の写真はパンフレットなどで見かけたことが有る。親鳥は結構間抜けな顔をしている。ただ仕事で来ているときには涼しい冬の間を狙って来るので、全く見ることが出来ないのである。一度5月にでも 遊びに来てみたい。
    どうやら話に聞いただけではあるのだが、、、母島の5月は素晴らしいらしい。乳房山にはヒメツバキの白い花があふれ、他にも”もう、こぉ〜んなに花ばかりで綺麗なんだからさぁ〜!”と坂入さんの穏やかな笑顔が物語る、、、、たくさんの花が咲き乱れて、一番美しいというのである。



    僕も 味わってみたいね。楽しそうだな。。。
    ”出ないねぇ〜”





    ”今日は居ないよ”

    実際 そういう時もあるらしい。近くの海に行ってしまうらしい。ここで今見られるのはザトウクジラ。冬の時期だけ繁殖のために現れる。跳びはねたり大きなアクションをするのは雄のクジラで、近くには雌のクジラがいる。
    雄のクジラは雌を取りあい、、、要するに”一発やりたい!”ために 必死で戦う。お互いを威嚇して、身体をぶつけあったりするという。シーズンも終わりになると 見るも無残にボロボロになっている雄クジラは多いらしい。
                        
         
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    素晴らしい山々や人々との出逢いを大切に安全第一をモットーにガイドをしています。大自然から戴けるエネルギーや感動を皆様と分ち合えたらと思っています。
    日本山岳ガイド協会認定上級登攀ガイド 木村道成

    上高地に程近い、長野県波田町在住。ガッツあり、日本中を飛び回っています。非常に前向きであり信頼でき、それでいてとても楽しい方です。サイトは写真もとても美しい。一度見てみてください。メロンパンが大好物です。
                   
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