原子のスペクトル線
【水晶振動子】
水晶振動子(クリスタル)は、結晶軸に対して正確な角度に切りだされた水晶片を正しい形に加工し、仕上げてから電極を付ける。これを清浄な状態で金属ケースに封じ込めたものである。
水晶には圧電現象を起こすという性質があるから、電極に電圧を加えると水晶片がゆがみ、水晶片がゆがめば電極間に電圧が生じる。この性質を理解して、水晶振動子を電気回路の中に組み込んで発信回路を構成させると、安定した電気振動が得られることになる。これが 水晶発振器(クォーツ)であり、精度は、水晶振動子の善し悪しで決まると考えてよい。水晶は 元来、単結晶で内部の原子配列に無理が無い。従って、合金を用いた振動子に比べると内部損失が少なく、しかも結晶軸に対しての切りだし角度が正確であれば、どの振動子も必ず同じ特性を持つ。また、切りだし角度により、周波数-温度係数(温度により周波数が影響される度合)が ゼロになる切りだし角度が存在するので、極めて良質な時間標準を作りだすことが出来る。しかし、水晶振動子の保持方法に関しては、その特性を大幅に損なう場合もある。
Xカット水晶振動子
水晶結晶のX軸(電気軸)に垂直な主面をもつ振動子。振動周波数は、8kHz〜32kHzで、現在では32kHzが主流である。腕時計など、
ATカット
X軸に平行で、Z軸に対する角度が55度の振動子。振動周波数は、約4.2MHz。温度特性が優れているが、消費電力が大きい。
【ツインクォーツ】
周波数特性を向上させるため、補正する方式。
ふたつの水晶発振器を用いる。主発信器の周波数と、副発信器の周波数の差周波数に2乗し、係数を掛けた信号を、主発信器の信号に加えて補正する。
【原子のスペクトル線】
各原子のスペクトル線は、それぞれの原子に固有であり不変であると考えられる。その一つの周波数を連続的に取りだすことにより正確な周期を得られることが出来ると考えられる。
【セシウム原子】
現在のセシウム原子周波数標準は、Cs133の原子の特定の準位間(基底状態の超微細準位のF,mF=(4,0)と(3,0)の間の遷移)に基づく周波数を 零磁場下でとらえるものである。その周波数、9,129,631,770Hz(約9.1GHz)は、そのまま秒の定義となった。
世界の主な研究所では1次標準装置として 大型原子ビームを用いた装置を製作し、一層の高確度を追求し研究を続けている。同時に、小型軽量の標準機も民間で開発され、広い範囲で実用になっている。
セシウムの限界安定度は、1x10-13(10のマイナス13乗)といわれている。
【ルビジウム原子】
ルビジウム(Rb87)を用いる場合、ガスセルを用いる方式になり、小型、軽量になり、しかも短期安定度が高いという特徴がある。
しかし、ガスの混合比や圧力により校正が必要になり、また僅かにドリフトもあるので、二次標準装置としては使われる。
ルビジウムの限界安定度は、1x10-11(10のマイナス11乗)といわれている。
【その他】
その他の方式としては、水素メーザが良く知られている。
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