SMPTEタイムコード
タイムコードは 基本的にはビデオのフレーム位相に合致している。特に映像を伴うプログラムは ビデオの深層に記録されているVITCに従うことになるのが自然である。そうすることによりワードにもシンクした状態になる。オーディオのみの場合にも、基本的にはディジタルのワードに一致していることが理想的である。こうすることにより 相互の機器のシンクロを取るときに、クロックやタイムコードのコンバートなしでいけるようになる。
そうでない場合は、あくまでも仮の ワーキング用タイムコードとして考え、その状態をなんらかの形で記録(メモ)しておくか、作業が終了した時点でクリアーしておいたほうが誤解が生じにくい。こうした誤解からのミスは 絶対に避けたい。紛らわしいものは残さないか、その旨解るようにしておくべきだ。限られた数人のプロジェクトメンバーが かかりっきりになっているようなプロジェクトでは、こうした作業は面倒で無駄なことのように思われるが、例えばリメイク作業であったり、一次作業が中断した場合などは、記憶に頼ることになり不都合が生じる可能性は大きい。習慣にしたほうが好ましい。
さすがに25フレと30フレのシンク信号の誤差があれば、一般的に考えておかしいことに気が付くであろう。あからさまにピッチがおかしいからである。それでも気が付かないような ”お前、耳付いてるのか!?”という場合もないわけではないが、これは 特殊な場合であると信じたい。 これが 0.1%のプルアップ/プルダウンは 優れた音楽家などの絶対音感がある人であれば、音楽そースを聞くだけで違和感を感じ解ることが出来るが、一般的に作業の段階では そうなっているとは思っていないためエンジニアは気が付きにくい。
オーディオでは 30NDF、テレビ(オンエアー)は29.97DFが使われる。また、レーザーディスクなどの画像を含むメディアでは それぞれ仕上がりのフォーマットが異る。各プロジェクトは その仕上がりに合わせた形で行わないと、最終的にプルダウンしてしまったりという問題が起こる。現在ではDVやCS、ハイビジョン、、、、がでてきたりしてきて この辺りのフォーマットは複雑怪奇だ。最近では 海外への番組ソースの輸出、配信など、、複雑さがぐっとましてきている。
しかしこれは あくまでも基本的である。実際にはどうなっているかというと、プログラムのプロセスにより様々。その場その場で臨機応変に対応しなければならない。特にフルディジタル化されてくると、注意して いまどの状態でシンクがかかり、タイムコードがなになのかを把握しておくことが必要。そうしておかないとシンクできなかったり音がでないという事態も起こる。また、仕上がりで いろいろなフォーマットに対応しなくてはならない場合も多い。計画的に管理しておかないと、ひどい目に遭うことが出来る。
現在、一般的に利用されているタイムコードには
24フレーム(24Fr/Sec)・・・・・FILM
25フレーム(25Fr/Sec)・・・・・Video(PAL/SECAM)
29.97DRフレーム(29.97Fr/Sec)・・・・・Video(NTSC Colour) オンエアー
29.97NDフレーム(29.97Fr/Sec)・・・Film Poseproduction via. Video NTSC
VP 音楽
30NDフレーム(30Fr/Sec)・・・・・Film/Video BW ハイヴィジョン
30DRフレーム(30Fr/Sec)・・・・・Film Poseproduction via. Video NTSC
がある。
我々が通常利用しているタイムコードは 30NDFであるが、
これはタイムコードを利用しているメディアの中では むしろ特種であると言って良いと思う。
なぜなら NTSC白黒の面影を モロに受け継いでいるからである。どだいフレームだという言葉がでるくらいなのだから、映像を中心にしたフォーマットなのである。それなのに 今時”白黒”というのもナンセンスな話しだ。そんなテレビは もう見かけることはない。CDのサンプリングレートを決定するときに参考としたフォーマットは NTSCの白黒のもので、これが30フレームだったので、CDメディアを中心に考えている音楽業界は 無条件に30フレームでタイムコードを考えがちであるが、ビデオフォーマットを中心に考えると 29.97/secのほうがむしろ主流になる。そのほうが自然だ。
ノンドロップに関しては 明記されているフレーム数の繰り返しによりタイムコードは繰り返されるが、わかりにくいのは ドロップフレームの方だろう。
これは一般論に乗っ取り 30フレーム単位でタイムコードが進んでいく。
すると カラーが当たり前の現代では ビデオフレームのズレに応じて実時間とはどんどんズレていく。
これでは 放送を初め 様々なところで不都合が生まれてくる。
たとえば 放送局のタイムコードは 実時間の時計とあわなくなってしまう。もしNDFで番組ソースを24時間分作ってしまうと、最後のプログラムは見事に24時間の枠に納まりきれなくなる。はみ出してしまうのである。白黒の1時間の映画をカラーの番組で放送したい場合には、そのままフレームを合わせて放送すると 時間枠では放送できないのである。
例えば、映像の初めから ピッタリ1時間の 場所にロケートしたい場合にはタイムコードでは1時間より少ない場所にロケートしなくてはいけないことになる。
要するに
1時間では30フレーム*60秒*60分で 108000フレームある訳だが
実際にカラーのフレームで位相同期を掛けて これを再生すると
3603.603604秒かかってしまうのである。
1時間で約3.6秒のズレが生じる。(本当は1時間では 107892フレームでなくてはいけない)
確かにビデオのフレームには位相が一致してはいるが、とても使いにくい。
そこで考え出されたのがドロップフレームという奴である。
要するに3.6秒=108フレーム多くなってしまっているわけだから、その分 適当にへずってしまって ズレがそれほど気にならないようにしてしまったのである。
実際には 毎分頭の2フレームへずってしまう。
すると1時間で120フレーム減ってしまう。
これではマズいので120-108=12 ということで 12フレーム削らないようにしなくてはいけない。そこでどうしたかというと、
なんとなくわかってしまった方も多いと思うが、
00分、10分、20分、30分、40分、50分、の時には へずるのをやめにした。
この 6個のポジションでは1分間に1800、それ以外では1798にした。
(1800*6+1798*(60-6)=107892となる)
ドロップフレームが入っている場合には、通常ノンドロップでシンクさせているシーケンサーなどは、1分に一度程 タイムコードを認識できなくなる。そのため 音飛びをしたり 止まったりすることになる。
通常は どんな映像プログラムであっても 最終的なオンエアーマスターの段階まではノンドロップで行うことが多い。そうしないと 編集ポイントが変わった場合には タイムコードは 変な場所でドロップしてしまうことになるからだ。気をつけなくてはいけないのは、元々オンエアー用のプログラムだった場合には、すでにドロップされている場合も多く、これらがノンドロップの素材と混在すると わけがわからなくなる。
こうならないように 全ての素材、マスターに シンクの状態とタイムコードの状態を明記しておくように注意したい。
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●久保田 麻琴
Kingrecords Webcommunication>キングレコードの公式サイト アーチストとして数々の偉業、共演、、、、そしてプロデューサーとして活躍。機材にも非常に詳しくマニアックでもある。世界中を飛び回り心地よい真音楽を世に広める、見た目は”謎の東洋人(何故か?日本人っぽくはない。)”。。。。。
著書:岩波新書1101、”世界の音を訪ねる-音の錬金術師の旅日記”は、今時レアな小さいCD付き。心地よいトラックが聴けて、お買い得。
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