マスターテープは何がいいのか
ミックスダウンしたものを 作品として世に送る出す物として記録する必要がある。今では 最終的にはCDとして送りだされるわけであるが、その前段階、マスタリングに持ち込むために最良のメディアはなんだろうか?
マスタリングなどをやっていると こういう質問はとても多い。
皆が同じように悩んでいる様なのである。
音にこだわる場合、1/2インチのアナログテープを使う。テープ速度によっても音が変わる。76センチ(30インチ)/秒が 一般的かとも思うのだが、38センチ(15インチ)/秒で回せば、もう少しボトムの太いサウンド傾向となる。ランニングコストも半分になるので、お勧めではある。アナログテープを使う場合には、テープレコーダーの調整や、使用するテープによってもサウンドは大きく変わって行く。このあたりは エンジニアがこだわっていることなので 一概にどうすればいいのかは 書くことは難しい。長年のキャリアの中から生みだされた様々なノウハウがある。
また、ドルビーなどのノイズリダクションを使うか使わないかも サウンドに影響してくる。
こうしたセッティングには大変な経験を要するので、いきなりマスターメディアとして導入するには 少々難しいのかも知れない。以前は毎日のようにレコーダーの調整をしていたものだが、ディジタルが主流になってからは そういったキャリブレーション作業はほとんど日常から消えてしまったのである。また、アナログテープは今となってはかなり高価なメディアであることも 大きく影響してくるだろう。
このほかに HDRを使うもの。これは マルチとして使っているHDRを そのままマスターとして使ってしまうため、マスターテープを介さないので、一世代分、音がよい事になる。プロツールスをセイゲン方式で使った場合には、かなり理想的なクオリティーで使うことが出来る。また、マスタリングの作業をしている間にもすぐにミックス作業に戻ることが出来るので、作品の完成度を追求するのにはとても都合が良い。ヴォーカルを出すのは、マスタリングでのトータルでのサウンドメイクより 単純にヴォーカルのレベルを上げたほうがよい場合も多いからだ。
しかし これも善し悪しではある。
注意しておかないと、マスタリング作業のはずがいつしかミックスダウンの作業に逆戻りしてしまう。やみくもに時間は経ってしまうのである。
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また、マシントラブルが起きたり、本来マスタリングではケアしなくても良いような事が作業を複雑にしていく。意識も集中できないので マスタリングは散漫になりやすい。この辺りもかなり難しい。
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他のワークステーションでも同じことで、とにかくあまり振り回されないようにしなくては マスタリングは台無しとなる。また マスタリングスタジオによっては 拒否されるような場合もあるかもしれない。
やっぱりコスト的にも納得できるのはDATだ。ADコンバーターにこだわるも良し、とにかくランニングコストが安いのが有難い。
ものは考えようで、安いのだからたくさんのヴァージョンをミックスして 聞き比べてみたりすることも出来る。もっともこれも善し悪しで、どれにするべきか?迷う原因にもなってしまうのだが、逆に別ヴァージョンとして 別にリリースすることが出来たりもする。
ここは是非 肯定的に使っていきたいものである。
さてさて、DATといっても普通は サンプリングレートが選べる。44.1kHzと48kHzのどちらかを選ばなくてはいけない。実際に録音して聞き比べてみれば解ると思うが、48kHzの方が音がよい。良くCDは44.1kHzなので そのほうが良いのか?と思われていると思うが、そうではない場合も多い。
僕の場合のは ディジタルで持ち込まれてくるマスター素材も一旦アナログにしてから 再びディジタルにするので、元々音がよい48kHZの方が良い。たぶん聞き比べていただければ この違いは解っていただけるだろう。実際にマスタリング作業を施すのは ほとんどアナログの状態でのものがほとんど。
もしかりにディジタル領域でのみ作業をする場合にはやはり44.1kHzの方が好まれるのかも知れない。この辺りはスタジオのシステムやエンジニアのやり方にも大きく左右されてしまうので 始めに問い合わせたほうが間違いが無い。
最近奨めているのは、このDATを使うものでも少々特殊である。
元音が良いほうが良いということは 既に書いたが、今ではもっと良い音が簡単にだせるようになってきている。
サイデラではTASCAMのDA45HRというDATレコーダーを使用している。価格的にもリーズナブルなプロ機器なので、かなりのスタジオにも導入されているだろう。このDATには、24bitのモードというのがある。これを試してみてもらいたい。16bitとは全く違うサウンドが聞けると思う。マスタリングスタジオで これが再生できれば このほうが良いと思う。以前は TASCAMDA-88とYAMAHA O2Rの組み合わせで行えていた24bitレコーディングであるが、このマシンを使えば、スイッチ一つを切り替えれば、ハイビットレコーディングを使うことが出来るのである。
ただし、24bitモードで録音されたDATは、普通の16bitのDATプレーヤーでは再生することは出来ない。テープの速度が早く廻ってしまい その分大量のデータを書き込むことが出来るようになっていからである。このため一般的な自宅のリスニングシステムでは聞くことは残念ながら不可能なのだ。そのため、バックアップも兼ねて、16bitのマスターも同時に録っておくことが必要になるだろう。多少面倒ではあるのだが、それに余りある音のよさが簡単に実現出来る。
DA45HRは、定価で25万。
ショップではすぐに見付かると思う。スタジオの常設機材になっていればラッキーだし、これを使わない事はない。なかなかマイルームスタジオでは 揃えておくことは出来ないかも知れないが、上手く使えばレンタルでも充分に利用できるだろう。もし 使ってみたい方がいるようなら、個人的に貸すことが出来ると思う。
是非、試してみていただきたい。
このほかにDSDのレコーダーも出てくるが、サウンドは素晴らしい。まだまだ価格的の高いので、どうだろうか?あまり一般的にはお勧めできるかどうか? どちらかというと アナログレコーダーの代わりといった形で導入されてくるような感じになるのではないだろう?
2001/08/05 ながしま
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●SAIDERA PARADISO
セイゲン オノ主宰のサイデラパラディソ銘門サイデラマスタリング、個性的なクリエイティブを送りだすサイデラレコード。そしてSACDを初めとするハイクゥオリティーを追求するサイデラ。
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