タコの木
いよいよ今日から 乳房山に登る。
登山口は集落の外れにあり、山頂を経て、ぐるっと一周回ってこられるようである。観光協会のガイドマップによると 一周約3時間。 とりあえず まぁ状況を見るために カマさんと一緒に登山道をぐるっと一回りしてこようという算段で、登り始める。
ボッカする場所やマーク、目印になるものなどの確認をしなくてはならない。あらかじめ どこに何を持っていったら良いのかを書き記した小さな板カンバンが、丁寧に登山道の脇に立てておいてある。僕らはこれを目印にしてボッカをすればいい様である。丁寧な仕事だな。右も左も解らないので これは有りがたい。図面だけで場所を特定するのは かなり面倒だ。これが 丸太階段で、これが横断水路。この辺りには丸太の土留めを、、、とい具合に図面と照らしあわせて把握しておかなくてはならないのだ。
今回の作業は この登山道全体の1/3の整備のようで、要するに下の方、比較的楽な作業のようだ。
いきなりの急登が収まると、徐々に景色が良くなる。(")/
海が朝日に輝いて美しい。
島には小鳥がやたらと多く、ウグイス、メジロ、ここにしかいない特別天然記念物の”ハハジマメグロ”もそこいらじゅうにたぁ〜くさんいる。(")/
休憩でもして休んでいると、むちゃんこ人なつこく 好奇心旺盛で、チュンチュン!!とすぐ近くまで寄ってきては そこいらを ぐるぐると回っている。
ううむ。
かわいい!! (")/
やっぱりココはずいぶんと南国ナンだな。 生えている植物も見たことが無いものばっかりだ!
これはタコの木。タコみたいにたくさん足が出てるから そう呼ぶんだって。(^◇^)ハハハ
ナンか 嘘臭いけど、本当ナンだよ!
(Pandanus boninensis)
タコノキは タコノキ科に属する小笠原固有種である。母島ではいたるところ、山の中ではたくさん見ることが出来る。シュロやヤシの様に 葉っぱが取れてどんどん幹が育っていくような、、 そういう植物だ。葉っぱは細長く、タコの葉細工に使われる。枝は上の方でいくつかに分かれていく。特徴的で不思議なのは根っ子の部分で、たくさんの根っ子が それこそ”タコ”の様にたくさん出ていて、幹を持ち上げるような形になっている。要するに幹は空中に持ち上げられているわけだ。
この根っ子と幹のわかれ目の部分が一番狭くなり、上には枝を広げ、下には根っ子が見える。要するに、普通の植物ならば地中に埋まっているはずの根っ子が、地上に出ている。これは別に偶然ではないようで、全部のタコの木は そのようになっているのである。ちょっと見ると、根っ子の周りの土が流されてしまって 根っ子が浮き出てしまったように見えるのであるが、そうではなく、こういう品種なのだ。根っ子は 幹の下の方から、コブのような形で最初は飛びだしてきて、空中から地上を目指して延びていき地上に達する。
不思議なのは タコの木はどうやって生え始めるのか?という事だ。最初は空中に浮遊しているわけではないだろうから? いったいどうやって育っていくのだろうかな?
タコノキには 巨大な、、トウモロコシの様に密集した実を付ける。これが地面に落ちて、かなり邪魔な塊になっている。しばらくすると それはそれぞれバラバラになり、そこいらに散らばっていく。これが気をつけないとつんズけたりすると 足首を捻ったりするから気をつけなくてはいけない。そう、”ぐにょ!”っとしたものではなく、かなり硬いものなのである。おそらく暫くすれば柔らかくなり、、腐るのかな? 小鳥達の格好の餌にも成るのであろう。。 とにかく いくばくかの残ったタコの実、ここから芽が出て、、、、育ち始めると思われるのである。ということは、、最初は地べたにあるものが、成長していくうちに空中に持ち上がっていくのだろうか?
タコノキには 巨大な、、トウモロコシの様に密集した実を付ける。見た目には結構美味そうに見えるのだが、これが異常に硬いので、見慣れてくると食い物には見えてこなくなる。しかし これは一応食べられるようである。タコの実を島民が信じられないくらいたくさん集めてきて 原チャリの後に取り付けられたコンテナーの箱に てんこもりにして持って帰る姿を見かけたことが有る。 しかし食べ物に成るのは塊の一つ一つの中にある、とっても小さな白い部分だけなので、てんこもりのタコの実から取れる”食べ物”の部分は、大した量ではないことになる。そして 食べ物になる小さな白い部分、、、これをゲットするには実はとっても硬く、割るのに苦労させられる。
ナタを使ってやっと割った中味は、松の実のような小さなものが3〜5コくらい。丁寧にドライバーみたいなものでほじくり出していく。そのまま食べると、、、まぁ 松の実が近いな。そんな感じのものである。これを大量に集めて水にさらし、薄皮を向いてから油で炒め、砂糖と味噌で練りあわせたものは 鉄火味噌といい、島の名物でもある。鉄火味噌にしなくても、炒めて食べるだけでも美味そうだ。ただ、集めるのはかなり面倒臭い。いや 集めるのは簡単だが、取りだすのが面倒臭い。(@@^)
まぁだ簡単なのは、タコの実酒。赤っぽくなって熟してきたタコの実を、焼酎に氷砂糖と漬け込む。独特の臭みと苦味が有るので、良く熟して 甘い香りをさせているものを見つけなくてはいけないらしい。
タコの木の葉は繊維が強いので、タコの葉細工として 小笠原で古くから作られていたようで、帽子や篭、敷物、、、といった あらゆるものが有る。ロース記念館に行くといくつか見ることが出来るのだが、母島でおみやげとして売っているのは見たことはない。父島ではおみやげとして手に入れることが出来る。ひょっとしたら母島でも、良く探すと 趣味的に作っている方がいて譲って貰えるかも知れないが、、、?
ゆっくり時間が有るのなら、タコの葉を集めてきて、見様見まねで作ってみるのもいいかもしれない。材料は島を歩けば 材料の葉っぱは すぐに手に入る。
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山岳ライター・柏澄子の毎日。 ヒマラヤ山岳地域やチベット文化圏の民族、暮らし、文化などをテーマに執筆。仕事部屋の様子、取材の話、クライミングや登山、旅の話などなど。古満目に更新されています。見習わなくては。。。
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