丸山東壁 左岩稜
扇沢からトンネルをひた歩く。何度歩いても、長いモンは長い。ううむ。
やっとダムに到着し 無理やりに外へと通じる扉を開ける。トンネルの中だけの薄ぐらい世界から解き放たれ、外の光が差し込む。同時に外の世界の”現実”を感じさせられる一瞬だ。
外に出てみると、あまり天気がよくない。かぁ〜るく吹雪いている。
アりゃありゃぁ〜
とりあえず本日のうちに壁の基部に入るのは諦めて、ここでビバークしてしまう。薄暗いとはいえ風は防げているし、こんなに快適な場所もない。
翌朝は 天気もよい。
黒部川沿いにラッセルを繰返していく。

丸山の壁の正面にでる。
マントを纏ったおばけような壁は大きくどっしりとしている。左岩稜は このおばけの右足を登っていくような感じだ。いや、右手かな? まぁ どっちでもいい。
取り付きは ルート図によるところより ずいぶんと上の方になってしまう。どうやら 雪が多いようである。
夏のルートでは 既に2ピッチほどが終わっている地点から ルートに入っていく。今日のうちに洞穴テラスまで行けるだろうか?
しばらく ブッシュを頼りに登っていく。バンド状の場所はラッセルが深い。雪が岩に馴染んでおらず、単純に邪魔なだけになっている。
この先でルートは ボルトラダーがあったと思うといきなりトラバースして、どさくさのフリーがありという感じで、解りにくい感じがある。
突然の方向変換に 面食らう。 ううむ。。。。
あれだけボルトラダーがあるのならあ、何故? そのまま打ち進まなかったのだろうかな?
正面には緑ルートを登るクライマーがいる。
あちらは おおむねボルトラダーだ。最初こそこっちの方が高度を一気に稼いでいたが、すぐに追い付かれてしまいそうだ。
壁には珍しく 着雪が多い。
これも陽のあたる時間になると 一気に落ちていく。
相変わらず遅々として進まない。
重荷にあえいでピッチが思うように伸びない。 こりゃぁまずい感じがしてくる。”お話にならないぞ!”
暫くすると傾斜が落ち、稜線上に出た。
ぼちぼち時間が、、、まずい。(@@^)
どこか ビバークしなくてはならない。場所をさがさなければ、、、っと思っていても、そんなに広い場所は見当たらない。
焦る気持ちと裏腹に、丁寧に雪を落とし、丁寧にホールドを探さなくてはいけない。ああ、面倒臭い。。。やっと広場に着いたが あまり安定していない。雪はまだ降ったばっかりという感じなので上手く固まってくれない。やっとこ作った小さなテラスで 今宵は我慢するしかなかった。
冷静に考えてみると、既に2泊分余分に行動していることになる。終了点から懸垂で下りてこられれば良いのだが、本峰経由での下山を考えると食料に不安がある。それに この遅々としたペース。(@@^)
天気はよいので行きたい気持ちもあるが、この天気とていつまで続くかは解らない。 だいたい そんなに天気が長続きするとは考えられないものである。
”どうするかな?”
決断するには 時間がかかった。しかし まあた来ればいいかな?っと、今回は敗退することにした。ここからであれば 簡単に下りられるのだ。(この先に行ってしまうと 南東壁側に下りることになるだろう。。。1ルンゼの雪崩れも心配だ。) 昨日あれほど難儀したピッチも すぐに下りてしまう。あっという間に基部につき 見上げる壁は大きかった。


●ニッピン秋葉原登山本店
僕も永年、メスナーテントを大事に愛用しています。今は無き?エントラントのメスナーテントは軽くて使いやすく、冬山の尾根筋での強風の中でも設営が比較的容易なのが魅力です。先にテントを固定出来るのが今でも魅力的だと思います。山の道具を作り続けて半世紀!登山とスキー・スノボの店ニッピンです。


