part 1

    1993年03月18-21日
       北アルプス 鹿島北壁 氷のリボン-1/3

    初登、第二登が同時に達成されてから永年のブランクを置いての第三登の記録。

    夜行急行アルプスに乗り込む。しこたま酒の差し入れを受け、酒には困りそうにない。 いくらなんでもこんなに飲みきれないぜ!!まぁ、有り難く頂いておく。信濃大町着。 余った酒と 靴や着替えをロッカーにつっこむ。 7:30 タクシーにて駅を後にする。
    3月18日、前の晩の酒が 完全に残っていて、非常に気持ちが悪い。やっぱり飲み過ぎたか。。。まぁ仕方がない。一時間ほどでタクシーは程なく入山口である大田原へと着く。
    8:45 入山口発。いきなり三村のザックのファスナーが壊れ、修理に手間取ってしまう。幸先悪い。どうなることか、、、、
    本日の行動は 天狗尾根を登り、天狗の鼻まで。ベースを設営して、出来れば 取り付き付近まで、トレースを付けてルートを確認したいなどと考えている。何しろ初めての北壁だ。まぁ、ゆっくり行こう。
    平らな林道をたどり、その後しばらくは 長い長い河原が続く。発電所を過ぎる辺りから アイゼンを付ける。天狗尾根には我々のほかにもいくつかのパーティーが入って居るようだ。
    さて、ここから一気に登りへと突入する。

    身体中から酒臭い汗が噴きだしてくる。気持ちがイイものではないなぁ。なんたることか!! 道理で酒臭いと思っていたら、ビ、ビ、ビールが、、穴があいてしまった。!! (汗にしては、、すごい臭いだなぁとは 思っていたが、、、(";;;
    まぁ、しょうがない。けど、実に惜しいことをした。
    そんなこんなで 長い長い尾根を登っていく。だんだん風が抜けるようになり、高度を稼いでいるのが解る。
    第一クロアールを過ぎ、きつい登りが続く。
    徐々に天気が悪くなってきた。 やっと第二クロアールを過ぎ
    15:30 天狗の鼻に到着。 そそくさとベースを設営する。今回は 二人とも かんじきを持ってきていたので、これを雪の中に埋め込み、テントペグ(??)として使った。
    二人で丁度 4コ有るので、テントはガッシリ固定された。 これなら強風にもビクともしない。
    天気は悪くなってきてしまったので、偵察はやめ。明日に備えて 早めに寝ることにする。
    3月19日、3時起床。とっても寒い。
    朝食を済ませたが 天気が悪い。 本日は停滞となり、再び寝る。

    その日は一日中 吹雪いていた。
    3月20日、4時起床。相変わらず寒い。天気は良さそうだ。5時くらいから他のパーティーは行動を始めた。我々はと言うと、、、言わずと知れた、マイペース。
    6:30 ベースを出発。 相変わらず 出発の遅いパーティーだ。もう既に 明るくなっている。先行のトレースを有り難く利用させていただく。こりゃ、一番でラッセルするのは 大変な事だ。
    1時間ほど かくね里をトラバースすると、突然目的の氷が見えてくる。
    結構小さく見える。”こりゃ いただきだな” ”早いトコ、登ってしまおう”なんて思っていたが、実は回りが余りにもデカイため そう見えてしまう様だ。 傾斜も凄くある。回りの雪がついて居ない岩の部分は、オーバーハングしている。 考えれば当たり前の事なのだが、、、
    他のパーティーのトレースはそのまま奥へと続いている。 当たり前の事なのだが、、、、貸し切りの様だ。
    7:15 ここから取り付きまでが 意外と長い。 段々近づいて来るに連れて、大きさが解ってくる。 取り付きでギアを準備し、 さぁ、いよいよ 突っ込もう。
    8時 三村リードで、F1 登攀開始。氷は信じられない程堅い。右端はつらら状で かぶっている。左は悪い。
    中央よりから取り付き、左にラインをとり、進んでいく。
    なんだか ゆっくりすぎないか??
    登る三村。。。
    。。。登る三村。。。。登る三村。。。。。
    確かに すすんでは居るのだが、まだ着かない。
    やっと 9時30分、F1終了。
    10時 長島フォロー完了。 VからVI-程度。 今までの氷とは かなり違い、きつい。 ははん、こりゃこういう事だったのか?きついな、これは、、m(_ _)m
    F2 F1とF2の区別は判然としない。確かルート図によると 緩傾斜になる場所が有るはずだが、良く解らない。多少F2は 右側にラインが移る様になる。長島はビレイ点から右の方へダイレクトに行くラインを狙ってみる。かなりかぶっていて良くない。 まぁ、見た目には 近道ではある。ところが 抜こうと思ってもアックスが効き過ぎて、抜け無い。。。。(氷が堅すぎるみたいだ) 思わず我慢が出来なくなり、アックスを放してしまう。”やばい!!”当然おっこちーーーっとなる。かくね里に吸い込まれるように落ちていく感じは、とっても怖い。 傾斜があるためどこにもブチ当たらず、空中へ 投げ出される。 まぁ 5メートル位なのだが、、
    ”はぁはぁはぁは” 呼吸が乱れまくり、初めてこのルートの凄さを思い知る。
                        
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